夏に抜け毛が増える現象は、実は多くの女性が経験するものです。
夏は紫外線・海水・冷房など、頭皮や髪の毛にダメージを与え、抜け毛を引き起こしてしまう要因が多くあります。
そのため、夏は髪の毛を守るためにもさまざまな対策を講じる必要があります。
本記事では、夏に抜け毛が増える具体的な原因と、原因に対する有効な対策を詳しく解説します。
夏の抜け毛に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
夏に女性の抜け毛が増える5つの原因

夏に抜け毛が増加する背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。
ここでは、特に注意すべき以下の原因について詳しく解説します。
- 紫外線ダメージによる頭皮の乾燥と炎症
- 汗や皮脂による頭皮環境の悪化
- 冷房による血行不良と代謝の低下
- 夏バテによる栄養不足とホルモンバランスの乱れ
- 海水による髪へのダメージ
それぞれの原因をよく理解すれば、効果的な対策を講じることができますので、ぜひ参考にしてください。
紫外線ダメージによる頭皮の乾燥と炎症
肌と同様に、頭皮も紫外線によるダメージを受けやすい部分です。
夏の強い紫外線は頭皮の水分を奪い、乾燥を引き起こします。
乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、炎症を起こしやすくなります。
炎症は毛根にダメージを与え、抜け毛を促進する原因となるため、早急な対応が不可欠です。
なお、1年間で紫外線がピークに達する時期は5月~8月とされています。
つまり、春の時点から紫外線に備えておく必要があります。
汗や皮脂による頭皮環境の悪化
夏は汗や皮脂の分泌が活発になる季節です。
過剰な汗や皮脂は毛穴を詰まらせ、雑菌の繁殖を招き、頭皮の炎症を引き起こすことがあります。
不衛生な頭皮環境は、健康な髪の成長を妨げ、抜け毛の原因となる可能性があります。
特にオイリーな頭皮を持つ方は、汗や皮脂の量が多く、頭皮環境がより悪化するリスクが高い傾向にあるので注意が必要です。
過剰な汗や皮脂を放置していると、脂漏性皮膚炎や脂漏性脱毛症などを招く恐れがあります。
また、夏は寝ている間にも大量に汗をかくものです。
大量に汗をかくと枕や枕カバーが汗を吸収し、雑菌が繁殖しやすい状態になります。
そのような状態で使用し続けると、頭皮トラブルが発生する原因になりかねません。
こまめに枕カバーを変えたり、枕本体を洗濯し、常に清潔な状態を保ちましょう。
冷房による血行不良と代謝の低下
冷房による血行不良と代謝の低下も、抜け毛を招く要素です。
夏は室内で冷房を使用する機会が増えますが、冷房の効きすぎた部屋に長時間いると、体が冷えて血行が悪くなります。
血行不良は、頭皮への栄養供給を滞らせ、毛母細胞の働きを低下させるため、髪の成長が阻害され、抜け毛につながることがあります。
なお、冷房は血行不良や代謝の低下だけでなく、頭皮の乾燥の原因にもなるので、頭皮に直接風が当たり続けないよう注意しましょう。
夏バテによる栄養不足とホルモンバランスの乱れ
抜け毛を防ぐなら、夏バテにも注意しましょう。
暑さによって食欲不振になると、栄養バランスの偏りを招いてしまいます。
その結果、髪の成長に必要な栄養素が不足し、抜け毛を悪化させます。
また、夏バテはホルモンバランスの乱れを引き起こし、女性ホルモンの分泌量を減少させることもあります。
女性ホルモンの分泌量が減ると、男性ホルモンが優位になり、抜け毛が増えるリスクが高まります。
普段からバランスの良い食事を心がけることで、夏バテを予防しましょう。
海水による髪へのダメージ
夏には、海水浴を楽しむ方も多いと思いますが、海水に含まれる塩分は髪のタンパク質を破壊し、乾燥やごわつきを引き起こします。
そもそも髪の毛は弱酸性であり、アルカリ性の海水との相性は悪いものです。
海水を浴び続けると髪の毛のキューティクルを傷めてしまい、切れ毛や抜け毛を引き起こす原因になります。
また、海に入った後に浴びる紫外線は、髪へのダメージをさらに強める可能性があるため、注意しなければなりません。
これらのダメージが蓄積することで、髪が弱くなり、抜け毛につながることがあります。
夏の抜け毛対策3選

夏に抜け毛が増える原因を踏まえたうえで、髪や頭皮の状態を守る効果的な対策を講じることは重要です。
ここでは、今日からできる以下の対策を紹介します。
- 紫外線対策
- 生活習慣の見直し
- 保湿ケア
いずれの対策も、手軽に実践できるものです。
抜け毛や薄毛に悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。
紫外線対策
紫外線は、肌だけでなく髪や頭皮にも大きなダメージを与えます。
特に、夏は紫外線量が非常に多い季節です。
紫外線対策を怠ると、頭皮が乾燥し、炎症を起こしやすくなり、抜け毛の悪化を招きます。
紫外線対策としては、以下のようなものが挙げられます。
日傘や帽子を着用する | 外出時は日傘や帽子を着用し、頭皮への直接的な紫外線を遮断しましょう。 つばの広い帽子を選ぶと、顔周りも紫外線から守れます。 |
UVカットスプレーを使用する | 髪の毛専用のUVカットスプレーを使用するのも効果的です。 外出前に髪全体にスプレーすると、紫外線から髪を守れます。 |
日中の外出を避ける | 紫外線がもっとも強い時間帯(午前10時~午後2時)の外出はできるだけ避けましょう。 やむを得ず外出する場合は、紫外線対策を徹底してください。 |
髪の毛や頭皮を守るためにも、長時間外出する際は、上記の対策を実施しましょう。
生活習慣の見直し
不規則な生活習慣は、ざまざまな体調不良を引き起こし、抜け毛だけでなく体にとって良くありません。
夏は、夏バテしやすい時期だからこそ、改めて生活習慣を見直すことが大切です。
以下の点に注意して、規則正しい生活を心がけましょう。
十分な睡眠をとる | 睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を妨げ、髪の成長を阻害します。 毎日7~8時間の睡眠時間を確保するように心がけましょう。 |
バランスの取れた食事を心がける | 髪の健康に必要な栄養素(タンパク質・ビタミン・ミネラルなど)をバランス良く摂取しましょう。 特に、亜鉛や鉄分は髪の成長に不可欠な栄養素です。 |
適度な運動をする | 適度な運動は、血行を促進し、頭皮への栄養供給を改善します。 ウォーキングやジョギングなど、軽い運動を習慣にしてみましょう。 |
ストレスを溜め込まない | ストレスは、自律神経のバランスを崩し、抜け毛を悪化させる原因です。 趣味を楽しんだり、リラックスできる時間を作ったりするなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。 |
なお、食生活を改善する際は、冷たい食品や飲み物の摂取をなるべく減らす方法もおすすめです。
女性は男性に比べて体が冷えやすいため、冷たい食品や飲み物を大量に摂取すると、血行不良を起こすリスクが高まります。
暑いからといって、冷たい食べ物や飲み物を過剰に摂取するのは控えましょう。
保湿ケア
夏の頭皮は、紫外線やエアコンの影響で乾燥しがちです。
頭皮の乾燥は、バリア機能を低下させ、外部からの刺激を受けやすくし、炎症や抜け毛を引き起こします。
以下の方法で、頭皮の保湿ケアを適切に行いましょう。
保湿効果のあるシャンプー・トリートメントを使用する | アミノ酸系シャンプーなど、頭皮に優しい洗浄成分で、かつ保湿効果のあるシャンプーを選びましょう。 トリートメントも、頭皮に潤いを与えるものを選ぶと効果的です。 |
頭皮用保湿ローションを使用する | シャンプー後や乾燥が気になるときに、頭皮用の保湿ローションを使用しましょう。 頭皮に直接塗布し、優しくマッサージするように馴染ませると、血行促進効果も期待できます。 |
エアコンの風を直接当てないようにする | エアコンは、室内の湿度を下げ、頭皮を乾燥させます。 エアコンの風を直接当てないようにしたり、加湿器などで湿度を適切に保つように心がけましょう。 |
女性に多い抜け毛のその他の原因

夏の抜け毛に加えて、女性には特有の抜け毛の原因も存在します。
女性特有の抜け毛の原因を知っておくと、抜け毛が気になったときに適切な対策を講じることができるため、ぜひ知っておきましょう。
原因 | 詳細 |
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ホルモンバランスの乱れ | 女性ホルモンであるエストロゲンの減少は、抜け毛の大きな原因の一つです。 特に更年期や閉経前後はホルモンバランスが乱れやすく、抜け毛が増加することがあります。 また、出産後のホルモンバランスの変化がきっかけで、産後に脱毛症を発生する方も多く見られます。 |
ストレス | 過度なストレスは自律神経を乱し、血行不良を引き起こすことで、髪の成長を妨げ、抜け毛を誘発します。 精神的な負荷が大きいと髪の成長が止まることもあります。 |
間違ったヘアケア | 洗浄力の強いシャンプーや過度な洗髪は、頭皮の乾燥や炎症を引き起こし、抜け毛を発生させるリスクがあります。 また、パーマやカラーリングの繰り返しも、髪や頭皮にダメージを与えるものです。 アレルギーや皮膚炎も、かゆみや炎症が長引くと毛根にダメージを与え、抜け毛を増加させることがあります。 |
無理なダイエットや栄養不足 | 髪の主成分であるタンパク質や、髪の成長をサポートするビタミン・ミネラルなどの栄養素が不足すると、髪が弱くなり抜けやすくなります。 特に、鉄分や亜鉛の不足は抜け毛を招きやすいので注意しましょう。 |
遺伝 | 親族が薄毛だった場合、FAGA(女性男性型脱毛症)のリスクが高まることがあります。 遺伝的要因も抜け毛の大きな原因の一つです。 |
上記の原因を理解し、日々の生活習慣やヘアケアを見直すことで、抜け毛の予防が期待できます。
女性の抜け毛を防止する対策

女性の抜け毛を防止する対策には、以下のようなものがあります。
- 頭皮ケアや育毛対策を徹底する
- ストレスケアも忘れない
- 必要があれば専門医に相談する
それぞれの対策について順番に解説するので、ぜひ参考にしてください。
頭皮ケアや育毛対策を徹底する
健康な髪の毛を育むためには、日々の頭皮ケアが不可欠です。
シャンプーは、頭皮に優しく、洗浄力の強すぎないアミノ酸系のものを選びましょう。
また、洗髪の際は指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流しましょう。
頭皮の血行を促進するために、シャンプー時に頭皮マッサージを取り入れるのも効果的です。
シャンプー後の保湿も重要です。
トリートメント・頭皮用の保湿ローション・育毛剤などを使用し、乾燥を防ぎましょう。
育毛剤を選ぶ際には、有効成分や自分の頭皮の状態に合ったものを選ぶようにしてください。
さらに、シャンプー前のブラッシングも頭皮ケアの一環として有効です。
ブラッシングによって、髪の毛に絡まったホコリや汚れを取り除ける他、毛穴の詰まりを防ぐ効果も期待できます。
ただし、力を入れすぎると頭皮を傷つけてしまう可能性があるので、優しく丁寧にブラッシングするように心がけましょう。
ストレスケアも忘れない
ストレスは、ホルモンバランスを乱し、抜け毛の原因となることがあります。
日ごろからストレスを溜め込まないように、自分なりの解消法を見つけておきましょう。
適度な運動・趣味に没頭する時間・友人との交流など、心身ともにリラックスできる時間を持つことが大切です。
また、睡眠不足もストレスを溜め込む原因です。
質の高い睡眠を確保するために、寝る前にカフェインを摂取するのを避けたり、寝室の環境を整えたりするなどの工夫をしましょう。
アロマを焚いたり、リラックスできる音楽を聴いたりするのもおすすめです。
さらに、ストレスの対策には、亜鉛の摂取も有効的です。
亜鉛が不足していると、セロトニンの分泌量が減少し、 イライラしやすくなったり、不安を感じやすくなったりします。
亜鉛を豊富に含む牡蠣・豚レバー・煮干しなどを積極的に摂取するようにしてみてください。
必要があれば専門医に相談する
抜け毛がひどい場合や、セルフケアでも改善が見られない場合には、自己判断で解決せずに専門医に相談することが大切です。
皮膚科や美容皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
専門医は、あなたの頭皮の状態や抜け毛の原因を特定し、最適な治療法を提案してくれます。
内服薬・外用薬・注入薬など、さまざまな治療法がありますので、医師と相談しながら自分に合った治療法を選びましょう。
早めの対策をすることで、悩みを早く軽減できるかもしれません。
まとめ:夏に多い女性の抜け毛に備えよう

夏は、紫外線・汗・冷房など、女性でも抜け毛を促進する要因が多く潜んでいます。
しかし、適切な対策を講じることで、抜け毛の量を減らし、健康な髪の維持が可能です。
本記事では、夏に抜け毛が増える原因と、具体的な対策について解説しました。
紫外線対策・生活習慣の見直し・保湿ケアといった対策を実践し、夏バテやストレスにも気を配ることで、抜け毛を効果的に予防できます。
もし抜け毛がひどく、改善が見られない場合は、自分で解決しようとせず、専門医に相談することも大切です。
この夏は、あらかじめしっかりと抜け毛対策を行い、自信を持って過ごしましょう。