髪の毛が抜ける!抜け毛の原因と対策は?今日からできる予防法も紹介

「最近、よく髪の毛が抜けるのが気になる……」「毎日のブラッシングが恐怖に感じる……」と悩んでいる方は少なくありません。

抜け毛は放っておくと深刻な問題に発展する場合もあります。

しかし、原因や対策を知っていれば、日常生活における少しの注意で改善が見込めます。

今回は、自分の抜け毛タイプを知る所からスタートし、年代別の抜け毛の原因と効果的な対策まで、抜け毛に関するあらゆる情報を詳しく解説します。

ヘアケアの見直しから生活習慣の改善、受診すべき症状とタイミングまで、抜け毛に悩むすべての方にとって役立つ情報をまとめました。

あなたの髪の毛を守るための第一歩として、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

髪の毛が抜ける原因とは?自分の抜け毛タイプを知ろう

抜け毛の原因は一つではありません。

日々の生活習慣、季節の変化、ストレス、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って抜け毛を引き起こしている可能性があります。

まずは、ご自身の抜け毛タイプの把握が、適切な対策を講じる第一歩です。

女性の薄毛を改善する方法|原因から治療法、対処法まで徹底解説

髪の毛が抜ける主な原因

髪の毛が抜ける原因は多岐に渡りますが、主な原因として以下のものが挙げられます。

原因詳細
AGA(男性型脱毛症)男性ホルモンの影響によりヘアサイクルが短縮され、髪の毛が十分に成長する前に抜けてしまいます。
額の生え際や頭頂部から薄くなるのが特徴です。
FAGA(女性男性型脱毛症)女性ホルモンの減少により、男性ホルモンの影響が強まり、AGAと同様の症状が女性にも現れるというものです。
分け目やつむじを中心に薄くなるケースが多いです。
ストレス強いストレスは血管を収縮させ、頭皮への血流を悪化させます。
髪の毛に必要な栄養が届きにくくなり、抜け毛を引き起こします。
生活習慣の乱れ睡眠不足や偏った食生活、過度な飲酒・喫煙などは、髪の毛の成長に必要な栄養素の不足やホルモンバランスの乱れを引き起こし、抜け毛を促進します。
ヘアケアの間違い洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、間違ったブラッシング、パーマやカラーリングの繰り返しなどは、頭皮や髪の毛にダメージを与え、抜け毛の原因となると考えられています。
上記以外の原因出産、加齢、甲状腺の病気、自己免疫疾患、薬剤の副作用なども、抜け毛の原因となる場合があります。

参考記事:AGA(男性型脱毛症) について|原因・治療・費用など|吉祥寺まいにちクリニック

髪の毛が抜ける量はどこからが異常?セルフチェックリスト

一般的に、健康な人でも1日に50~100本程度の髪の毛は抜けると言われています。

しかし、季節の変わり目や体調の変化などによって、一時的に抜け毛が増える場合もあります。

ご自身の抜け毛が異常かどうかを判断したい場合、以下のセルフチェックリストを参考にしてみてください。

  • 朝起きたときの枕に抜け毛が大量についている
  • シャンプーやブラッシングの際に、以前より明らかに抜け毛の量が増えた
  • 排水溝に溜まる髪の毛の量が明らかに増えた
  • 髪の毛が細く、弱々しくなった
  • 地肌が透けて見える部分が増えた
  • 分け目やつむじが目立つようになった

上記の項目に複数当てはまる場合は、頭皮の状態が悪い可能性が高いです。

早めに原因を特定し、適切な対策を講じましょう。

放置すると危険?抜け毛の種類と見分け方

抜け毛には、自然なヘアサイクルの過程で抜けるものと、何らかの原因によって引き起こされるものがあります。

抜け毛の種類を見分けられると、原因の特定に役立ちます。

以下に、抜け毛の種類と主な特徴をまとめました。

抜け毛の種類特徴考えられる原因
自然脱毛毛根が白っぽく、丸みを帯びているヘアサイクルの終末期など
AGA/FAGAによる抜け毛毛根が細く、短い毛が多い男性ホルモン/女性ホルモンの影響など
ストレスによる抜け毛毛根が萎縮している、または付いていない血行不良、栄養不足など
牽引性脱毛症特定の部位が集中的に抜ける髪の毛が引っ張られて生じる負担など
円形脱毛症円形や楕円形に髪の毛が抜ける自己免疫疾患など

抜け毛の種類によっては、放置すると症状が悪化するものもあります。

たとえば、AGAやFAGAは進行性の脱毛症であり、早期に対策を講じないと薄毛が進行してしまいます。

円形脱毛症も放置すると範囲が広がる可能性があるので、早めに皮膚科を受診しましょう。

【年代別】髪の毛が抜ける原因

抜け毛の原因は人それぞれですが、年代によっても代表的な原因が異なります。

本章では、10代・20代、30代・40代、50代以降の3つの年代に分け、各年代にありがちな抜け毛の原因を詳しく解説していきます。

【10代・20代】髪の毛が抜ける原因

10代・20代は一般的に髪の毛がもっとも健康な時期ですが、抜け毛に悩む方も少なくありません。

10代・20代の抜け毛の代表的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

原因詳細
誤ったヘアケア洗浄力の強いシャンプーの使用や、頻繁なカラーリング、パーマなどは、頭皮や髪の毛に大きな負担をかけ、抜け毛の原因となる場合があります。
また、ドライヤーの熱風を長時間当てると、髪の毛の乾燥やダメージにつながります。
生活習慣の乱れ睡眠不足や偏った食生活、過度なダイエットなどは、髪の毛の成長に必要な栄養素が不足し、抜け毛を引き起こす可能性があります。
特にインスタント食品やファストフードばかり食べていると、栄養バランスが偏りがちです。
ストレス受験や就職活動、人間関係など、10代・20代は何かとストレスを感じやすい時期です。
ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、血行不良やホルモンバランスの乱れにつながるため、抜け毛の原因となる場合があります。
遺伝若年性脱毛症は、遺伝的な要因が大きく関与していると考えられています。
家族に薄毛の方がいる場合、AGAやFAGAを発症するリスクが高まります。
その他つむじの位置や髪の毛のクセによって、地肌が透けて見え、抜け毛と勘違いする場合もあります。
また、10代の女性の場合、経口避妊薬(ピル)の服用が抜け毛の原因となる場合もあります。

参考記事:AGAは遺伝する?家族に薄毛がいる人が知っておくべき予防と治療法|大阪AGA加藤クリニック

【30代・40代】髪の毛が抜ける原因

30代・40代は、仕事や家庭で多忙になりがちで、さまざまな要因が重なって抜け毛が起こることが多いです。

主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

原因詳細
ホルモンバランスの乱れ女性の場合、出産や加齢に伴い、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少します。
エストロゲンは、髪の毛の成長を促進する働きがあるので、分泌量が減少すると抜け毛が増える場合があります。
男性の場合も、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の変化が、抜け毛に関与していると考えられています。
ストレス30代・40代は、仕事での責任やプレッシャー、育児や介護などにより、さまざまなストレスにさらされやすい時期です。
慢性的なストレスは、自律神経の乱れや血行不良を引き起こし、抜け毛を悪化させる可能性があります。
加齢加齢に伴い、頭皮の血行が悪くなり、髪の毛の成長に必要な栄養素が十分に届かなくなる場合があります。
また、髪の毛を作る細胞の機能も低下するので、髪の毛が細くなったり、抜けやすくなったりします。
【医師監修】30代男性必見!抜け毛の原因と対策、セルフチェックの方法を紹介

【50代以降】髪の毛が抜ける原因

50代以降は、加齢による影響がより顕著になり、抜け毛の悩みが深刻化する傾向があります。

主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

原因詳細
加齢によるホルモンバランス変化女性の場合、閉経に伴いエストロゲンの分泌量が急激に減少し、抜け毛が大幅に増加する場合があります。
男性の場合も、男性ホルモンの分泌量が徐々に減少し、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増える場合があります。
頭皮の老化加齢に伴い、頭皮のコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力や保水力が低下します。
結果として、頭皮が硬くなり血行が悪くなるので、髪の毛の成長に必要な栄養素が十分に届かなくなる場合があります。
病気や薬の副作用高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、甲状腺疾患などの病気が、抜け毛の間接的な原因となる場合があります。
また、特定の薬の副作用として、抜け毛が起こるケースもあります。

参考記事:高血圧は薄毛と関係がある? 血行不良を招く原因と合わせて解説!|AGAヘアクリニック
     糖尿病と抜け毛の関係|板谷内科クリニック
     甲状腺機能の異常が引き起こす脱毛症:原因と治療方法|蒲田駅前やまだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック

抜け毛の効果的な対策①ヘアケアを見直す

抜け毛の対策として、まず見直したいのが日々のヘアケアです。

シャンプーの選び方から洗い方、トリートメント、頭皮マッサージ、ブラッシング、育毛剤の使用まで、さまざまな角度からアプローチすると、抜け毛を効果的に予防し、健康な髪を育てられます。

頭皮が油っぽい原因とは?症状や直し方、シャンプー選びまで完全網羅!

抜け毛を防ぐシャンプーの選び方と正しい洗い方

シャンプーは、頭皮の汚れを落とし、清潔に保つための重要なアイテムです。

しかし、洗浄力の強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥や炎症の原因となることがあります。

抜け毛を防ぐには、アミノ酸系シャンプーなど、頭皮に優しい成分配合のシャンプーを選びましょう。

また、シャンプー前にはブラッシングで髪の絡まりをほぐし、予洗いをしておくと、シャンプーの泡立ちが良くなり、頭皮への摩擦を軽減できます。

シャンプーは、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流しましょう。

日々のシャンプーを見直すだけで、抜け毛の予防や頭皮環境の改善につながります。

シャンプーを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

ポイント詳細
頭皮ケアに役立つ成分をチェックするグリチルリチン酸ジカリウム、センブリ抽出エキスなど、頭皮の炎症を抑えたり、血行を促進する有効成分が含まれているものがおすすめです。
肌質に合ったシャンプーを選ぶ乾燥肌、脂性肌、敏感肌など、自分の肌質に合ったシャンプーを選びましょう。

トリートメント・コンディショナーで頭皮環境を整える

トリートメントやコンディショナーは、シャンプー後の髪の毛に潤いを与え、乾燥から守る役割があります。

頭皮に直接つけると、毛穴を詰まらせてしまう可能性があるので、毛先を中心に塗布するようにしましょう。

最近では頭皮の保湿や血行促進効果のあるトリートメントも販売されているので、抜け毛が気になる方は、こうしたアイテムを取り入れてみるのもおすすめです。

頭皮マッサージで血行促進

頭皮マッサージは、頭皮の血行を促進し、髪の毛に必要な栄養を届けやすくする効果があります。

指の腹を使って、頭皮全体を優しく揉みほぐすようにマッサージしましょう。

入浴中~入浴後の間に、頭皮が温まっている状態で行うと、より効果的です。

ブラッシングで抜け毛予防

ブラッシングは、髪の絡まりをほぐし、頭皮の血行を促進する効果があります。

また、ブラッシングによって、髪の毛についたホコリや汚れをしっかりと落とせるのもメリットです。

目の粗いブラシやクッション性のあるブラシを使用し、頭皮を傷つけないように優しくブラッシングしましょう。

育毛剤を使用する

育毛剤は、主に医薬部外品として販売されており、毛根の働きを活性化させることで、髪を健やかに育むことを目的としています。

つまり、育毛剤は「健康な髪の毛を育てるための薬剤」です。

育毛剤には、さまざまな有効成分が含まれているため、自分の抜け毛の原因や症状に合わせて適切なものを選びましょう。

効果を実感するには、使用方法を守り、継続して使用するのがポイントです。

育毛剤を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 自分の抜け毛の原因や症状に合った有効成分が含まれているか確認する
  • テクスチャーや香りなど、自分の好みに合ったものを選ぶ
  • 副作用のリスクや使用上の注意を確認する
  • 続けやすい値段のものを使用する

抜け毛の効果的な対策②生活習慣を見直す

抜け毛の対策は、ヘアケアだけではありません。

日々の生活習慣の見直しも、健康な髪を育む上で非常に重要です。

本章では、抜け毛を効果的に防ぐための生活習慣の改善策をご紹介します。

バランスの取れた食事

髪の毛は、私たちが摂取する栄養素から作られています。

バランスの取れた食事は、髪の成長に必要な栄養素を供給し、抜け毛を予防する上で不可欠です。

特に、タンパク質、亜鉛、鉄分などは髪の健康に重要な役割を果たします。

こうした栄養素を積極的に摂取し、バランスの取れた食事を心がけましょう。

加工食品や栄養の偏った食事は避け、できるだけさまざまな栄養を摂取するのも大切です。

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質の良い睡眠

睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れや血行不良を引き起こし、抜け毛の原因となる場合があります。

質の良い睡眠は、髪の成長を促進し、頭皮の健康を保つ上で非常に重要です。

理想的な睡眠時間は7〜8時間と言われています。

睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質の向上も大切です。

以下の点に注意して、質の良い睡眠を心がけましょう。

  • 就寝前にカフェインやアルコールを摂取しない
  • 寝る前にリラックスできる環境を作る(入浴、読書など)
  • 毎日同じ時間に寝起きする

質の高い睡眠を確保すると、睡眠中に髪の成長が促進されるため、抜け毛の予防につながります。

適度な運動

適度な運動は、血行を促進し、頭皮への栄養供給を適切に行う効果があります。

また、ストレス解消にもつながり、ホルモンバランスの乱れを整える効果も期待できます。

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動でも効果があるので、運動習慣がない方は実践してみてください。

運動に関しても、とにかく続けることがもっとも重要です。

たとえば、以下のような運動を日常生活に取り入れるなど、無理のない範囲で、継続的に運動を行いましょう。

  • 毎日30分のウォーキング
  • 仕事中に軽いストレッチ
  • 週末にヨガやピラティス

適度な運動は、抜け毛予防だけでなく、全身の健康維持にもつながります。

抜け毛で病院を受診すべき症状とタイミング

以下のような症状が見られる場合は、病院の受診を検討しましょう。

  • 急激な抜け毛の増加:数日から数週間で急に抜け毛が増えた場合
  • 特定の部位の抜け毛:頭頂部や生え際など、特定の部位の抜け毛が目立つ場合
  • 円形脱毛症:円形や楕円形の脱毛斑ができた場合
  • 頭皮の炎症やかゆみ:抜け毛に加えて、頭皮に炎症やかゆみがある場合
  • 毛髪の質の変化:髪が細くなったり、切れやすくなったりした場合

こうした症状は、放置すると悪化する可能性があるので、早急な専門医への相談が重要です。

早期に適切な治療を開始すれば、症状の悪化を防ぎ、改善を促せます。

少しでも「おかしいな」と思ったら、自己判断せずに専門医に相談しましょう。

なお、病院を受診する際には、以下の情報を医師に伝えるようにしましょう。

  • 抜け毛の症状
  • 既往歴
  • 生活習慣
  • 家族歴

上記の情報を伝えると、医師はより正確な診断を下し、適切な治療法を提案できます。

髪の毛が抜ける原因をよく理解して、適切な対策をしよう

本記事では、髪の毛が抜ける原因から対策、病院を受診すべきタイミングまで解説しました。

抜け毛の原因は一つではなく、年代や生活習慣によっても異なります。

まずはご自身の抜け毛のタイプを理解し、適切なヘアケア、生活習慣の見直しを行ってください。

シャンプーの選び方や洗い方、頭皮マッサージ、バランスの取れた食事、質の良い睡眠など、今日からできる対策も多くあります。

そうした対策を行っても抜け毛が改善しない場合や、急激な抜け毛が見られる場合は、専門医への相談をおすすめします。

抜け毛は、見た目の印象だけでなく、心にも大きな影響を与える場合があります。

本記事が、皆様の抜け毛の悩みを解決し、健やかな髪と心を取り戻す一助となれば幸いです。

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五藤 良将(ごとう よしまさ)
五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。 研究分野:糖尿病、AGEs、動脈硬化、 免許・資格: • 医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員著書、論文所属 • 医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長  • 医療法人社団五良会 理事長 専門領域: • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 皮膚科 • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 美容皮膚科