「産後の抜け毛、いつまで続く?」「ずっと治らないのではないか……」と不安に思っている方は少なくありません。
出産を終えたママの体は、ホルモンバランスの急激な変化や、育児による睡眠不足などで、想像以上に大きなダメージを受けています。
本記事では、産後の抜け毛がいつまで続くのか、原因と抜け毛が治らないときの対策を徹底解説します。
シャンプーの選び方から食事、睡眠、育毛剤、専門医への相談まで、あなたの悩みに寄り添い、解決のヒントをお届けします。
目次
産後の抜け毛はいつまで続く?

産後の抜け毛は、多くのママが経験する悩みの一つです。
出産を終えた体は、さまざまな変化にさらされており、抜け毛もその影響の一つとして現れます。
本章では、産後の抜け毛がいつまで続くのか、期間やピークについて詳しく解説します。
産後の抜け毛のピーク
産後の抜け毛のピークは、一般的に出産後4〜6カ月頃に訪れると言われています。
上記の時期には、妊娠中に分泌量の多かった女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、ヘアサイクルが乱れやすくなる傾向があります。
ヘアサイクルが乱れると、髪の毛が成長期を終えて休止期に入る割合が増え、結果として抜け毛が増加します。
参考記事:産後の抜け毛はいつまで続く?期間や原因・対策を解説|医師監修|楽天市場
産後の抜け毛期間には個人差がある
産後の抜け毛の期間には個人差があり、一概に「いつまで」とは言い切れません。
ホルモンバランスの変化の程度や、育児の状況、生活習慣など、さまざまな要因が影響します。
早ければ産後半年程度で落ち着く方もいれば、1年以上続く方もいます。
焦らず、ご自身のペースでケアを続けることが重要です。
産後の抜け毛が終わる時期の目安
産後の抜け毛が終わる時期の目安としては、一般的に産後1年程度と言われています。
上記の時期を目安に、ホルモンバランスが徐々に妊娠前の状態に戻り、ヘアサイクルも正常に戻ってきます。
ただし、完全に元通りになるまでには、さらに時間がかかる場合もあります。
個人差も大きいので、あくまで目安として捉えましょう。
産後の抜け毛対策を始めるべき時期
抜け毛が気になり始めたら、すぐにでも対策を始めましょう。
一般的に、産後1〜2カ月頃から抜け毛が増え始める方が多いため、その時期から頭皮ケアや生活習慣の見直しを意識すると良いでしょう。
早めの対策をすることで、抜け毛の量を最小限に抑え、髪の毛の回復を促すことのも可能です。
産後の抜け毛が治らない原因

産後の抜け毛は、多くの場合一時的なもので、自然に回復していきますが、中にはなかなか治らずに不安に感じる方もいます。
抜け毛が長引く背景には、いくつかの原因が考えられます。
本章では、主な原因を詳しく解説していきます。
ホルモンバランスの変化
妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が非常に多くなります。
こうしたホルモンは、髪の成長を促進し、抜け毛を抑制する働きがあるため、妊娠中は通常よりも抜け毛が少なくなる傾向があります。
しかし、出産後、上記のホルモンの分泌量は急激に低下します。
すると、妊娠中に抜けずにいた髪の毛が一気に抜け落ちるため、産後の抜け毛として目立つようになるのです。
こうしたホルモンバランスの急激な変化が、産後の抜け毛の大きな原因の一つです。
ホルモンバランスの乱れは、時間が経つにつれて徐々に落ち着き、抜け毛も自然に改善していくのが一般的です。
しかし、ホルモンバランスが完全に元に戻るまでには、数カ月~1年程度の期間がかかることもあります。
睡眠不足・運動不足・ストレス
産後の育児は、昼夜を問わず赤ちゃんのお世話が必要となるため、睡眠不足になりがちです。
また、外出の機会が減り、運動不足になる場合も少なくありません。
育児に対する不安やストレスも加わり、心身ともに大きな負担がかかりがちです。
睡眠不足や運動不足は、血行不良を招き、髪の成長に必要な栄養が頭皮に届きにくくなる原因です。
ストレスは自律神経のバランスを崩し、ホルモンバランスにも悪影響を及ぼすかもしれません。
こうした要因が重なると、抜け毛が長引いたり、ひどくなったりする可能性が高まります。
産後の体はデリケートになっているため、無理をせずにできるだけ休息をとり、心身ともにリラックスできる時間を確保しましょう。
栄養不足
産後の体は、出産によって大量のエネルギーを消費しており、栄養状態が不足しがちです。
特に母乳育児をしている場合は、赤ちゃんに栄養を送る必要があるため、体がより多くの栄養を必要とします。
髪の主成分は、ケラチンと呼ばれるタンパク質です。
また、髪の成長には、亜鉛、鉄分、ビタミンB群などの栄養素も欠かせません。
こうした栄養素が不足すると、髪が細くなったり、抜けやすくなったりする恐れがあります。
バランスの取れた食事を心がけ、必要な栄養素を十分に摂取しましょう。
食事のみで十分な栄養を摂るのが難しい場合は、サプリメントなどを活用するのも一つの方法です。
参考記事:【産婦人科医監修】産後の抜け毛はいつまで?原因と対策、おすすめの髪型伝授!|ままのて
産後の抜け毛が治らないときの対策

産後の抜け毛が長引くと、不安な気持ちになりがちです。
しかし、適切な対策を講じれば、早めに抜け毛を改善し、美しい髪を取り戻せます。
本章では、今日からできる具体的な対策を6つ取り上げます。
- 頭皮に優しいシャンプー&トリートメントを選ぶ
- 正しい洗髪方法で頭皮を清潔に保つ
- バランスの取れた食事で内側からケア
- 十分な睡眠と休息でストレスを解消
- 育毛剤で頭皮環境を整える
- 専門医に相談する
上記6つの対策について、順番に詳しく解説します。
頭皮に優しいシャンプー&トリートメントを選ぶ
産後のデリケートな頭皮には、刺激の少ないシャンプーとトリートメントを選びましょう。
アミノ酸系シャンプーや、天然由来成分配合のシャンプーがおすすめです。
洗浄力が強すぎるシャンプーは、必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招く可能性があります。
シャンプーを選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。
ポイント | 詳細 |
---|---|
成分表示 | ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなどの刺激の強い成分は避けましょう。 |
無添加 | 香料、着色料、防腐剤などの添加物が少ないものを選びましょう。 |
保湿成分 | セラミド、ヒアルロン酸などの保湿成分が配合されていると、頭皮の乾燥を防げます。 |
トリートメントも同様に、頭皮に優しいものを選びましょう。
シリコンフリーのものを選ぶと、毛穴詰まりを防ぐ効果が期待できます。
正しい洗髪方法で頭皮を清潔に保つ
洗髪の方法を見直すことも、抜け毛対策には重要です。
以下のポイントを参考に、優しく丁寧に髪を洗いましょう。
ポイント | 詳細 |
---|---|
①予洗い | シャンプー前に、ぬるま湯で髪と頭皮をよく洗い流します。 |
②シャンプー | シャンプーを手のひらでよく泡立ててから、頭皮につけて優しくマッサージするように洗います。 爪を立てずに、指の腹で洗いましょう。 |
③シャンプー後のすすぎ | シャンプーが残らないように、熱すぎないぬるま湯で丁寧に洗い流します。 特に、生え際や襟足はすすぎ残しが多いので、注意しましょう。 |
④トリートメント | トリートメントは、毛先を中心につけ、頭皮につかないように注意します。 |
⑤トリートメント後のすすぎ | トリートメントも、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。 |
洗髪後は、タオルで優しく水分を拭き取り、ドライヤーで乾かします。
自然乾燥は、頭皮の雑菌繁殖の原因になるため、避けましょう。
抜け毛対策を考える際は、ドライヤーは頭皮から15cm以上離し、風を同じ場所に当て続けないように注意してください。
参考記事:はげるのはドライヤーが原因?薄毛対策やAGAを防ぐ乾かし方をクリニックが解説|AGAメディカルクリニック
バランスの取れた食事で内側からケア
髪の毛は、食事から摂取する栄養で作られています。
バランスの取れた食事は、健康な髪を育てる上で必要不可欠です。
特に、以下の栄養素は積極的に摂取しましょう。
成分 | 期待される効果 |
---|---|
タンパク質 | 髪の主成分であるケラチンの元です。 肉、魚、大豆製品、乳製品などに多く含まれます。 |
亜鉛 | タンパク質の合成を助け、髪の成長を促進します。 牡蠣、レバー、ナッツ類などに多く含まれます。 |
ビタミンB群 | 頭皮の血行促進、栄養補給に役立ちます。 |
鉄分 | 貧血を予防するほか、髪への栄養補給を助けます。 |
L-リジン | 髪の成長を促進します。 |
大豆イソフラボン | 女性ホルモン様作用、ホルモンバランスの調整に効果が期待できます。 |
ミレットエキス | 髪の成長促進、毛根の活性化に役立ちます。 |
食事だけで必要な栄養を摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。
参考記事:【医師監修】抜け毛予防にサプリは効く?薬の方がいい?育毛効果をアンケート調査|ビタブリッドジャパン
十分な睡眠と休息でストレスを解消
睡眠不足やストレスは、ホルモンバランスを乱し、抜け毛を悪化させる原因になると考えられています。
できるだけ十分な睡眠時間を確保し、リラックスできる時間を作りましょう。
以下のような方法で、ストレスを解消するのがおすすめです。
運動方法 | 詳細 |
---|---|
軽い運動 | ウォーキングやヨガなど、リラックス効果のある運動を取り入れましょう。 |
趣味の時間 | 好きなこと、趣味に没頭する時間を作り、気分転換をしましょう。 |
アロマテラピー | リラックス効果のあるアロマオイルを焚いて、心身をリラックスさせましょう。 |
マッサージ | 頭皮マッサージは、血行を促進し、抜け毛予防に効果的です。 |
育毛剤で頭皮環境を整える
育毛剤は、頭皮環境を整え、健康な髪の成長を助ける効果が期待できます。
産後の抜け毛に悩む女性向けにも、さまざまな育毛剤が販売されています。
育毛剤を選ぶ際は、以下の点に注目してみましょう。
ポイント | 詳細 |
---|---|
有効成分 | 血行促進成分、抗炎症成分、保湿成分などが配合されているか確認しましょう。 |
無添加 | 香料、着色料、パラベンなどの添加物が少ないものを選びましょう。 |
安全性 | 産後のデリケートな頭皮にも安心して使えるものを選びましょう。 |
育毛剤は、用法・用量を守って、正しく使用することが大切です。
回数を増やしたり、一回の塗布量を増やすと、かえって逆効果になります。
特に産後は体もデリケートになっているため、使用前にはパッチテストを行い、肌に異常がないか確認しておくのも大切です。
専門医に相談する
セルフケアを続けても抜け毛が改善しない場合は、専門医に相談するのもおすすめです。
専門医は、抜け毛の原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。
自己判断でケアを続けるよりも、専門家の診断を受けると、より効果的な対策を講じられます。
どのような症状が出たら病院に行くべき?
特に以下のような症状が見られる場合は、早めに病院を受診しましょう。
放置すると症状が悪化したり、時には他の疾患が隠れている可能性もあります。
症状 | 詳細 |
---|---|
急激な抜け毛 | 短期間(数日から数週間)で、以前よりも明らかに大量の髪が抜ける症状。 排水溝の詰まりや、枕に大量の抜け毛が付着するような場合も要注意です。 |
部分的な脱毛 | 頭皮の一部だけが円形、楕円形、または不規則な形に脱毛する症状。 脱毛部位が複数個所に及ぶ場合も同様です。 |
頭皮の炎症 | 頭皮が赤くなったり、かゆみ、痛み、フケ、かさぶたなどの症状。 炎症が強い場合は、感染症の可能性も考えられます。 |
その他 | 発熱、倦怠感、体重減少、関節痛など、抜け毛以外の全身症状。 これらの症状は、自己免疫疾患や内分泌系の異常など、他の疾患と関連している可能性があります。 |
専門医に相談するメリット
専門医に相談すると、以下のようなメリットがあります。
ご自身のケアで改善が見られない場合は、ぜひ専門医の診察をご検討ください。
メリット | 詳細 |
---|---|
正確な診断 | 抜け毛の原因を特定するために、問診、視診、触診だけでなく、血液検査、頭皮の検査など、必要な検査を受けられます。 より正確な診断と治療で、早期回復が見込めます。 |
適切な治療 | 内服薬、外用薬、生活指導など、個別の状況に合わせた治療法を提案してもらえます。 また、最新の治療法や臨床試験の情報も得られます。 |
安心感 | 専門家のアドバイスを受けると、不安な気持ちを解消できます。 治療の経過や予後についても詳しく説明を受けられるので、安心して治療に取り組めます。 |
産後の抜け毛は、多くの場合一時的なものですが、放置すると症状が長引いたり、悪化する可能性もあります。
実際に、産後の体調不良が原因で間接的に抜け毛や脱毛症を引き起こすことも。
気になる症状がある場合は、産後だからと自己判断せずに、早めに専門医(皮膚科医、婦人科医など)に相談しましょう。
授乳中でも使用できる薬もありますので、まずは気軽に受診してみてください。
産後の抜け毛には適切な対策を行おう

産後の抜け毛は、多くの方が経験する、極めて自然な現象です。
あまり深く悩みすぎる必要はありませんが、中には長引いてなかなか改善しないこともあります。
先述の対策を行ってもなかなか改善しない場合には、専門医への相談も検討しましょう。
自己判断でさまざまな対策を試すよりも、専門家の視点から原因を特定し、適切なアドバイス・治療を受けると、早期改善への近道です。
早期の適切な対応が、美しい髪を取り戻すための鍵です。