理想の体型を目指してダイエットを始めたのに、気がついたら枕元の抜け毛が増えていたり、髪全体のボリュームが減った気がする……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかく綺麗になるためにした努力が、髪の悩みを引き起こしてしまっては、意味がない気がしてしまいますよね。
しかし、ダイエットと美しい髪を両立させることは、決して不可能ではありません。
本記事では、ダイエット中に抜け毛が増えてしまうメカニズムをわかりやすく解き明かし、今日から実践できる具体的な対策を徹底的に解説します。
正しい知識を身につけ、健康的に美しくなるための方法を一緒に見つけていきましょう。
目次
ダイエットで抜け毛が起こる5つの原因

ダイエットで抜け毛が起こる原因には、以下のようなものがあります。
- 栄養不足
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレス
- 頭皮の乾燥
- 血行不良
ダイエットが抜け毛につながる背景には、単一ではなく複数の原因が複雑に絡み合っています。
無理な食事制限や急激な体重減少は、身体にとって大きな負担となり、そのサインが髪に現れるケースは珍しくありません。
それぞれの原因を順番に解説します。
栄養不足
ダイエットによる抜け毛の最もよくある原因は、極端な食事制限による栄養不足です。
特に、脂質制限や糖質制限のような特定の食品を完全に抜くようなダイエットは、髪の成長に必要な栄養素が枯渇するリスクを高めます。
そもそも、髪の毛は約90%が「ケラチン」と呼ばれるタンパク質から作られています。
そのため、食事から摂取するタンパク質が不足すると、髪の主成分そのものが作れなくなってしまいます。
また、タンパク質をケラチンに再合成する過程では、亜鉛やビタミンといったほかの栄養素も不可欠です。
髪を構成する栄養素が不足すると、健康な髪を維持することは難しくなります。
ダイエットは決して食事制限だけを行うものではありません。
脂質や糖質の過剰な制限は避け、必要な栄養素は必ず摂取するように心がけましょう。
ホルモンバランスの乱れ
女性の抜け毛はホルモンバランスの乱れによって薄毛が発生するケースも少なくありません。
過度なダイエットは、体内のホルモンバランスにも深刻な影響を及ぼすことがあります。
特に女性の場合、急激な体重減少や栄養不足は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を低下させる原因となります。
エストロゲンは、髪の成長期を維持し、ハリやコシのある美しい髪を育むために重要な役割を果たすホルモンです。
エストロゲンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まります。
その結果、髪の成長期が短くなり、太く長く成長する前に抜け落ちてしまう「びまん性脱毛症」などを引き起こすリスクが高まるので注意しましょう。
生理不順や無月経といった症状が現れている場合は、ホルモンバランスが乱れているサインの可能性があります。
ストレス
ダイエットそのものが、心身にとって大きなストレス源となることも少なくありません。
「食べたいものを我慢する」「思うように体重が減らない」といった精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱します。
ストレスによって自律神経が乱れると、血管が収縮し、全身の血行が悪化してしまいます。
ダイエットによるストレスの事例は以下のとおりです。
- 精神的ストレスの例
- カロリー計算や食事制限によるプレッシャー
- 空腹を無理に我慢する
- 体重の増減に一喜一憂する
- 周囲からの評価が過度に気になる
- 身体的ストレスの例
- 栄養不足による身体の不調
- 過度な運動による疲労
- 睡眠不足
上記のような原因によるストレスは、頭皮の血行不良を直接的に引き起こし、毛根に十分な酸素や栄養が届かなくなる原因となります。
その結果、毛根が弱り、抜け毛が増加してしまいます。
頭皮の乾燥
過度なダイエットは、頭皮の乾燥を招くリスクがあるものです。
例えば、極端な脂質制限は、頭皮の健康を損なう一因です。
ダイエットで敬遠されがちな脂質ですが、脂質は細胞膜の構成、ホルモンの生成に欠かせません。
皮脂は、頭皮を外部の刺激や乾燥から守る天然のバリア機能を担っていますが、脂質が不足して皮脂の分泌が過剰に減少すると、潤いを失い乾燥します。
乾燥した頭皮は、以下のようなトラブルを引き起こしやすくなります。
バリア機能の低下 | 外部からの刺激に弱くなり、炎症やかゆみを引き起こす。 |
フケの発生 | 角質が剥がれやすくなり、不衛生な印象を与える。 |
ターンオーバーの乱れ | 頭皮の生まれ変わりが正常に行われず、健康な髪が育ちにくい環境になる。 |
上記の頭皮トラブルは、最終的に抜け毛の増加につながるものです。
ダイエットのためでも、極端な脂質制限は避けましょう。
血行不良
先述した「栄養不足」「ホルモンバランスの乱れ」「ストレス」は、すべて血行不良を引き起こすものです。
髪の成長に必要な酸素や栄養素は、血液によって毛根の先端にある毛母細胞へと運ばれます。
血行が悪化すると、この重要な供給ルートが滞ります。
血行不良が起こるメカニズムは以下のとおりです。
原因 | 血行不良へのメカニズム |
---|---|
栄養不足 | 血液の材料となる鉄分などが不足し、質の良い血液が作れなくなる。 |
ホルモンバランスの乱れ | 自律神経の働きに影響し、血管の収縮をコントロールしにくくなる。 |
ストレス | 交感神経が優位になり、血管が収縮して血流が滞る。 |
運動不足 | 筋肉のポンプ作用が弱まり、全身、特に末端である頭皮の血流が低下する。 |
栄養が届かなくなった毛母細胞は、細胞分裂を活発に行えなくなるため、弱々しい髪しか作れなくなったり、場合によっては髪を作り出すこと自体をやめてしまったりします。
これが、ダイエット中に見られる抜け毛の、直接的な原因です。
ダイエットによる抜け毛の期間と回復の目安

ここからは、ダイエットによる抜け毛の期間と回復の目安について解説します。
髪の毛には「ヘアサイクル」と呼ばれる生まれ変わりの周期があり、このサイクルを理解することが回復期間の目安を知るうえで重要です。
ヘアサイクルは、大きく分けて以下の3つの期間で構成されています。
ヘアサイクルの段階 | 期間の目安 | 状態 |
---|---|---|
成長期 | 2年~6年 | 毛母細胞が活発に分裂し、髪が太く長く成長する期間。 全毛髪の約85%~90%を占める。 |
退行期 | 約2週間 | 毛母細胞の分裂が停止し、髪の成長が止まる期間。 全毛髪の約1%を占める。 |
休止期 | 約3カ月~4カ月 | 髪の成長が完全に止まり、毛根が浅くなって自然に抜け落ちるのを待つ期間。 全毛髪の約10%~15%を占める。 |
過度なダイエットによる抜け毛は、「急性休止期脱毛症」と呼ばれる脱毛症の一種です。
これは栄養不足やストレスといった身体への大きな負荷が引き金で、本来成長期にあるべき多くの髪が一斉に休止期へと移行してしまう現象です。
休止期に入った髪は、約3カ月から4カ月後に抜け落ちます。
つまり、ダイエットによって抜け毛の原因が発生してから、実際に抜け毛として目に見えるまでにはタイムラグがあるのです。
そのため、抜け毛の原因を取り除き、食生活や生活習慣を改善しても、すぐに髪が元通りになるわけではありません。
改善を始めてから、新しい髪が毛根で生まれ、頭皮の表面に顔を出し、ある程度の長さに成長するまでには、さらに数カ月の期間が必要です。
一般的に、抜け毛が減ったと実感し、髪のボリュームが回復し始めるまでには、最低でも半年から1年程度はかかると考えておきましょう。
抜け毛を完全に治すには、焦らずじっくりと体質改善に取り組むことが何よりも大切です。
長時間抜け毛に苦しまないよう、ダイエットをする際は、そもそも原因を作らないような健康的な方法を取ることが重要です。
抜毛予防に効果的な9つの栄養素

健康な髪を育むためには、特定の栄養素だけを摂取するのではなく、多様な栄養素をバランス良く摂ることが不可欠です。
本章では、特に抜け毛予防や健やかな髪の育成に重要とされる以下の9つの栄養素について解説します。
- タンパク質
- 鉄分
- 亜鉛
- ビタミンB群
- ビタミンA
- ビタミンC
- ビタミンD
- 必須脂肪酸
- イソフラボン
また、上記の栄養素を多く含む食品についても紹介します。
タンパク質
髪の主成分であるケラチンを生成する、最も基本的な栄養素です。
タンパク質が不足すると、髪は細く切れやすくなるだけでなく、ツヤのない状態になってしまいます。
タンパク質を摂取する際は、以下のような食品を取り入れましょう。
- 肉類(鶏ささみ・赤身肉)
- 魚介類(アジ・サバなど)
- 卵
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)
- 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳)
- ナッツ類
タンパク質には動物性と植物性があるため、肉や魚介類のほか、一部の植物由来の食品からも摂取できます。
タンパク質はダイエットにおいても積極的に摂りたい大切な栄養素の一つなので、毎日の食事に取り入れることがおすすめです。
鉄分
血液中のヘモグロビンの主成分であり、全身に酸素を運搬する重要な役割を担っています。
鉄分が不足すると、頭皮が酸欠状態となり、毛母細胞の働きが低下します。
特に女性は月経により鉄分を失いやすいため、意識的な摂取が必要です。
鉄分を多く含む食品は以下のとおりです。
- レバー
- 赤身肉
- カツオ
- マグロ
なお、ほうれん草や小松菜、ひじきなどからも鉄分は摂取できますが、これらに含まれる鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、比較的吸収率の低いものです。
ただし、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率を上げられるため、献立を考える際の参考にしてください。
亜鉛
亜鉛は、タンパク質を髪の毛に合成する過程で不可欠なミネラルです。
亜鉛が不足すると、たとえタンパク質を十分に摂取していても、効率よく髪に変換できません。
細胞分裂や新陳代謝を促進する働きもある亜鉛が多く含まれる食品は、以下のとおりです。
- 牡蠣
- 豚レバー
- 牛肉(赤身)
- チーズ
- アーモンド
- 納豆
ビタミンB群
ビタミンB群は、エネルギー代謝を助け、頭皮環境を健やかに保つために協力して働きます。
中でも特に重要なのが、ビタミンB2とビタミンB6です。
ビタミンB2は皮脂の分泌をコントロールし、頭皮や粘膜の健康を保ちます。
一方のビタミンB6は、タンパク質の代謝を助け、ケラチンの合成をサポートする栄養素です。
それぞれの栄養素は以下の食品に多く含まれています。
ビタミンB2 | レバー・うなぎ・卵・納豆 |
ビタミンB6 | マグロ・カツオ・鶏肉・バナナ |
ビタミンA
ビタミンAは、頭皮のターンオーバーを正常に保ち、潤いのある健康な状態を維持します。
不足すると頭皮が乾燥し、フケやかゆみの原因となります。
しかし、ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンAを多く含む食品は、以下のとおりです。
- レバー
- うなぎ
- 緑黄色野菜(にんじん・かぼちゃ・ほうれん草)
ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、丈夫な血管や頭皮を作るために欠かせません。
強力な抗酸化作用でストレスから体を守り、鉄分の吸収率を高める効果もあります。
水溶性ビタミンのため、こまめに摂取するのが大切です。
ビタミンCは、以下の食品に多く含まれます。
- 赤ピーマン
- ブロッコリー
- キウイフルーツ
- 柑橘類
- いちご
ビタミンD
ビタミンDは、健康な毛包(毛根を包む組織)を維持するのに効果的な栄養素です。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きが有名ですが、免疫機能の調整にも関わっています。
ビタミンDを多く含む食品は以下のとおりです。
- 魚類(サケ・イワシなど)
- きのこ類(きくらげ・しいたけなど)
- 卵
必須脂肪酸
オメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸などの必須脂肪酸は、細胞膜の重要な構成要素です。
血行を促進し、頭皮の炎症を抑え、乾燥を防ぐ効果が期待できます。
しかし、必須脂肪酸は体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。
必須脂肪酸を摂取する際は、以下の食品を選びましょう。
オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸・EPA・DHAなど) | 青魚(サバやイワシなど)・アマニ油・えごま油 |
オメガ6系脂肪酸(リノール酸・アラキドン酸など) | ごま油・大豆油・ナッツ類 |
日々の食事で使う油を、アマ二油やごま油に切り替えるだけでも、摂取しやすくなります。
イソフラボン
イソフラボンは大豆製品に多く含まれる成分で、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造と働きを持ちます。
ホルモンバランスの乱れによる抜け毛に対して、そのバランスを整える効果があり、その性質から、植物性エストロゲンとも呼ばれています。
イソフラボンを多く含む食品は以下のとおりです。
- 納豆
- 豆腐
- 豆乳
- 味噌
- きな粉
抜け毛対策に効果のある栄養素について、より詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
ダイエットによる抜け毛対策6選

ダイエットによる抜け毛に気づいたら、すぐに行動を起こすことが大切です。
本章では、髪と頭皮の健康を取り戻すための、具体的な対策をご紹介します。
- 食事の栄養バランスを見直す
- 無理な食事制限や運動を避ける
- サプリメントで栄養を補う
- 頭皮マッサージを行う
- 育毛剤などを活用する
- 専門家に相談する
自分の状況に合わせて、ぜひ試してみてください。
食事の栄養バランスを見直す
栄養バランスの見直しは、根本的で重要な対策です。
特定の食品を抜いたり、極端にカロリーを制限したりするダイエットは控えましょう。
健康的な髪を育むためには、以下の3大栄養素のバランス(PFCバランス)を意識した食事を取ることが基本です。
P(Protein):タンパク質 | 筋肉や髪、肌の材料になります。体重1 kg あたり 1 g を目安に摂取しましょう。 |
F(Fat):脂質 | ホルモンの材料や細胞膜の構成要素です。良質な脂質(青魚・ナッツ・アボカドなど)を選びましょう。 |
C(Carbohydrate):炭水化物 | 体を動かすエネルギー源になります。完全に抜くのではなく、玄米や全粒粉パンなど、食物繊維が豊富なものを選びましょう。 |
また、前章で紹介した「抜毛予防に効果的な9つの栄養素」を参考に、多様な食材を組み合わせた「まごわやさしい」食事を心がけるのも理想です。
「まごわやさしい」食事は、以下のような食品を取り入れる取り組みです。
頭文字 | 食品の分類 | 具体例 |
---|---|---|
ま | 豆類 | 豆腐・納豆・味噌 |
ご | ごま | ごま・ナッツ類 |
わ | わかめ | わかめ・ひじきなどの海藻類 |
や | 野菜 | 緑黄色野菜・淡色野菜 |
さ | 魚 | 青魚を中心とした魚介類 |
し | しいたけ | しいたけ・しめじなどのきのこ類 |
い | いも | じゃがいも・さつまいもなどの芋類 |
PFCバランスや「まごわやさしい」を意識するだけで、食事の栄養バランスを改善できます。
いずれも抜け毛対策はもちろん、ダイエットをするうえでも重要です。
無闇に脂質や糖質を削るのではなく、身体や髪に必要な栄養素を意識して献立を決めましょう。
無理な食事制限や激しい運動を避ける
たとえダイエットのためでも、無理な食事制限や激しい運動は避けましょう。
急激な体重減少は、身体に大きなストレスを与え、自律神経の不調や血行不良を招きます。
こういった症状は、抜け毛の引き金になります。
体重減少の目安は、1カ月に現在の体重の5%以内の減少に設定するのが安全です。
例えば、体重が60kgの人であれば、1カ月の減量は最大でも3kgまでにしましょう。
運動に関しても、ストレスになるほどのハードなトレーニングは逆効果です。
心地良い疲労感を得られる程度の有酸素運動は、血行を促進し、ストレス解消にもつながるためおすすめです。
サプリメントで栄養を補う
先ほどご紹介した栄養素を日々の食事でしっかりと摂ることが難しい場合は、サプリメントで栄養を補うことも一つの解決策になります。
ダイエット中は、バランスの取れた食事が基本ですが、どうしても食事だけでは必要な栄養素を補いきれない場合もあります。
特に抜け毛を防ぐうえで必要な以下の栄養素は不足しやすいため、サプリメントでの補給が有効的です。
- 鉄
- 亜鉛
- ビタミンB群
- ビタミンD
ただし、サプリメントはあくまで食事の補助です。
過剰摂取はかえって健康を害する可能性もあるため、製品に記載されている摂取目安量を必ず守りましょう。
どのサプリメントを選べば良いかわからない場合は、医師や薬剤師に相談して使用を開始することをおすすめします。
頭皮マッサージを行う
頭皮マッサージは、硬くなった頭皮をほぐし、血行を促進するのに効果的です。
血流が改善されることで、毛根に栄養が届きやすくなり、抜け毛の防止や健康な髪の成長をサポートします。
シャンプーの際やお風呂上がりのリラックスタイムに行うのがおすすめです。
頭皮マッサージは以下の手順で実施しましょう。
1.準備 | 指の腹を使い、爪を立てないようにします。 |
2.側頭部 | 耳の上あたりに両手の指の腹を置き、円を描くようにゆっくりと頭頂部に向かって引き上げます。 |
3.前頭部 | 生え際に指の腹を置き、頭頂部に向かってゆっくりと揉みほぐします。 |
4.後頭部 | 首の付け根に両手の親指以外の4本の指を置き、頭頂部に向かって引き上げるようにマッサージします。 |
5.全体 | 最後に、頭全体を指の腹で軽くタッピングして仕上げます。 |
頭皮マッサージは優しく丁寧に行うことが重要です。
爪を立てたり、かきむしったりすると皮膚を傷つけ、頭皮環境を悪化させるリスクが高まるので注意しましょう。
育毛剤などを活用する
セルフケアの一環として、育毛剤を取り入れるのも効果的な対策です。
育毛剤には、頭皮の血行を促進する成分や毛母細胞の働きを活性化させる成分、頭皮環境を整える保湿成分などが配合されています。
ただし、育毛剤は医薬品である発毛剤とは異なり、主に抜け毛の予防や、今ある髪を健康に育てることを目的としています。
そのため、確実に髪の毛を生やすものではない点には留意してください。
育毛剤を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 保湿成分(セラミド・ヒアルロン酸など)が配合されているか
- 血行促進成分(センブリエキスなど)が含まれているか
- アルコールや添加物が少なく、頭皮に優しい処方か
- 香りやテクスチャーが自分好みで、継続して使いやすいか
もし自分に合った育毛剤がわからない際は、薄毛治療専門クリニックなどの専門家からアドバイスを得ましょう。
専門家に相談する
セルフケアを続けても抜け毛が改善しない場合や、抜け毛の量が異常に多いと感じる場合は、1人で悩まずに専門家に相談しましょう。
過度なダイエットが原因だと思っていても、甲状腺疾患や皮膚疾患、あるいは男性型脱毛症(AGA)、女性男性型脱毛症(FAGA)といったほかの病気が隠れている可能性もあります。
抜け毛について相談する際は、以下の専門家を活用しましょう。
皮膚科 | まずは保険診療で頭皮の状態を診てもらい、一般的な皮膚疾患の可能性を除外できます。 |
薄毛治療専門クリニック | 自由診療となりますが、薄毛や抜け毛に関するより専門的な検査や治療(内服薬・外用薬・注入治療など)を受けられます。 カウンセリングでじっくりと相談に乗ってもらえるのが利点です。 |
原因が判然としない抜け毛は、セルフケアだけでは治らないことがあります。
自分で何とかしようとして、誤った対策を続けると、かえって症状を悪化させる事態にもなりかねません。
専門家の診断を受けることで、抜け毛の真の原因を特定し、自分に合った適切な治療法を見つけられるはずです。
まとめ:抜け毛を防ぐためにも無理なダイエットは禁物

ダイエットと抜け毛は、密接な関係にあります。
理想のスタイルを追求するあまり、極端な食事制限や無理な運動に走ってしまうと、栄養不足やストレスなどによって大切な髪が失われてしまう事態になりかねません。
しかし、本記事で解説したように、原因とメカニズムを正しく理解し、適切な対策を講じることで、健康と美しい髪を守りながらダイエットを成功させることは十分に可能です。
ダイエットをする際は、身体に負担をかけない適切な方法で実施しましょう。
過度な運動や脂質制限は体調不良だけでなく、抜け毛を引き起こします。
ダイエットによって抜け毛が発生した際は、想定される原因に合わせて適切な対策を講じる必要があります。
ただし、原因が不明だったり、さまざまな対策を講じても抜け毛の症状が改善しなかったりした場合は、セルフケアを避けて専門家に相談しましょう。