クエン酸は髪に良い?効果や使い方・作り方・注意点を解説

「髪がきしんで指通りが悪い」

「年齢とともに髪のパサつきやうねりが気になってきた」

「でも、市販のトリートメントは化学成分が心配」

そんなお悩みをお持ちではありませんか。

実は、こうしたトラブルはキッチンにもある身近な「クエン酸」でケアできるかもしれません。

クエン酸は、石鹸シャンプー後のきしみを和らげ、髪をサラサラにしてくれるとSNSでも話題となっている成分です。

今回は、クエン酸ヘアケアの効果や安全な使い方、そして失敗しないための注意点まで、徹底的に解説します。

簡単に作れるクエン酸リンスのレシピもご紹介。

正しい知識を身につけて、健やかでツヤのある美髪への一歩を踏み出しましょう。

クエン酸が髪に良いと言われる2つの理由

「クエン酸」と聞くと、多くの人が「掃除に使う酸っぱい粉」を思い浮かべるかもしれません。

ですが、クエン酸はレモンや梅干しにも豊富に含まれる食品由来の成分で、私たちの生活にごく身近な存在。

実は、体内にも自然に存在する有機酸の一種なのです。

そんなクエン酸が、なぜヘアケアにも効果的だと言われるのでしょうか?

その理由は、クエン酸が持つ2つの大きな働きにあります。

髪のpHバランスを「弱酸性」に整える

私たちの髪や肌は、本来「弱酸性(pH4.5~5.5)」に保たれているのが最も健康的です。

この弱酸性の状態では、髪の表面を覆うキューティクルがキュッと閉じており、外部の刺激から髪の内部を守りながら、水分や栄養が逃げるのを防いでいます。

ところが、石鹸シャンプーや水道水、ヘアカラー剤など、多くのものは「アルカリ性」です。

髪がアルカリ性に傾くと、キューティクルは魚のウロコのように逆立ち、開いてしまいます。

これが、髪のきしみやごわつきといったトラブルの大きな原因です。

ここで役立つのが、「酸性」の性質を持つクエン酸

クエン酸は、アルカリ性に傾いた髪を中和し、健康的な弱酸性の状態へと戻す作用があります。

その結果、開いてしまったキューティクルが再び閉じ、髪の表面は滑らかさを取り戻すのです。

参考記事:チェンジリンスとは何か – 女性の髪質改善におけるその効果と使い方|AGAメディカルケアクリニック

水道水中の金属イオンを除去する

髪のごわつきにはもう一つ、見逃せない原因があります。

それは、水道水に含まれる金属イオン(カルシウムやマグネシウムなど)です。

これらの金属イオンは髪に付着すると、石鹸成分と結合して「金属石鹸」と呼ばれる不溶性のカスを生成します。

この金属石鹸が髪に蓄積すると、手触りが悪くなったり、ツヤが失われてしまうのです。

クエン酸には、こうした金属イオンをまるでカニのハサミのようにがっちりとつかみ、水に溶けやすい形に変えて洗い流しやすくする「キレート作用」と呼ばれる働きがあります。

特にミネラル分が多い硬水の地域にお住まいの方にとって、このキレート作用は大きな効果を発揮します。

クエン酸で期待できる5つの美髪効果

先述の通り、クエン酸には、「pH調整作用」と「キレート作用」があります。

では、これら2つの働きによって、私たちの髪には具体的にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。

ここからは、クエン酸で期待できる5つの代表的な美髪効果について解説します。

ご自身の髪の悩みに当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。

石鹸シャンプー後のきしみを抑え、指通りを滑らかに

石鹸シャンプーを愛用している方の多くが悩むのが、洗い上がりの「きしみ」です。

このきしみは、アルカリ性の石鹸がpHバランスを崩し、キューティクルを開かせてしまうことが原因です。

ここで頼りになるのがクエン酸リンス。

クエン酸の酸性の力でアルカリ性を中和すれば、開いたキューティクルがスムーズに閉じ、驚くほど指通りが滑らかな髪に仕上がります。

キューティクルを引き締め、髪にツヤとまとまりを与える

キューティクルが整うことのメリットは、指通りだけではありません。

きれいに整列したキューティクルは光を均一に反射するため、髪に自然で美しいツヤをもたらします。

「天使の輪」と呼ばれる輝きも、実はこのキューティクルの状態が大きな鍵を握っているのです。

さらに、キューティクルがしっかりと閉じることで、髪の内部の水分やタンパク質の流出を防ぎ、潤いをキープ。

結果的にパサつきが抑えられ、髪はまとまりやすくスタイリングしやすい髪質へと変わっていきます。

フケ・かゆみを抑え、健やかな頭皮環境へ

健やかな髪は、健康な頭皮からしか生まれません。

実は頭皮も髪と同じように、弱酸性に保たれているのが理想的な状態です。

しかし、洗浄力の強いシャンプーやストレスなどで頭皮がアルカリ性に傾くと、フケやかゆみの原因となる雑菌が繁殖しやすくなります。

クエン酸は、乱れた頭皮のpHバランスを整えるとともに、穏やかな抗菌作用で雑菌の過剰な繁殖を抑える効果が期待できます。

頭皮環境が整うことで、フケやかゆみといったトラブルが改善され、根本から健康な髪を育む土台ができあがるのです。

参考記事:

育毛剤の効果成分34種類を完全解説!副作用、発毛剤との違い、選び方まで|大阪AGA加藤クリニック

頭皮のベタつきはクエン酸でスッキリ解決!炭酸水で頭皮ケア|健栄製薬

ヘアカラーの色持ちをサポート

せっかくきれいに染めたヘアカラーは、できるだけ長持ちさせたいものです。

でも実は、カラー後の髪は薬剤の影響でアルカリ性に大きく傾き、キューティクルが開いたままの状態になっています。

この状態では、シャンプーのたびに色素が流れ出しやすく、せっかくのカラーが早く褪色してしまう原因になります。

そこでおすすめなのが、カラー後のケアにクエン酸を取り入れること。

クエン酸は髪のpHを弱酸性に戻し、開いたキューティクルを素早く引き締めます。

その結果、髪内部に染料をしっかりと閉じ込めることができ、色持ちを良い髪色を長く楽しめるのです。

静電気の発生を抑制

冬の乾燥した季節に多くの人が悩むのが、髪の静電気です。

髪が広がったり、衣服にまとわりついたりして、せっかくのスタイリングが台無しになってしまいます。

静電気は、髪の乾燥と摩擦が主な原因です。

クエン酸でキューティクルを整えると、髪表面が滑らかに、摩擦が起きにくい状態になります。

さらに、髪内部の水分が保たれやすくなるため、乾燥を防ぎ、静電気の発生を根本から抑える効果が期待できます。

クエン酸リンスの作り方と正しい使い方

クエン酸リンスの最大の魅力は、なんといってもその手軽さです。

ドラッグストアや100円ショップで手に入るクエン酸を使えば、誰でも簡単に作ることができます。

ここからは、クエン酸リンスの基本のレシピと、効果を最大限に引き出す正しい使い方を詳しく紹介します。

ぜひ、今日からあなたのバスタイムに取り入れてみてください。

基本のクエン酸リンス|用意するものと作り方

まずは、最もシンプルで基本となるクエン酸リンスの作り方です。

材料も少なく、混ぜるだけなのでとても簡単です。

用意するもの分量・説明
クエン酸(食用グレード)大さじ3杯
グリセリン小さじ1杯
水(またはぬるま湯)500ml(ペットボトル1本分)
空のペットボトルなど500ml容量の清潔な容器
計量スプーン大さじ、小さじが計れるもの
  1. 清潔なペットボトルに、水(またはぬるま湯)を500ml入れる
  2. クエン酸大さじ3杯、グリセリン小さじ1杯を加え、フタをしっかり閉める
  3. 液体が透明になるまでよく振って混ぜ合わせる

クエン酸は食用グレードのものを選ぶと、より安心して使用できます。

また、水道水の塩素が気になる方は、精製水や一度沸騰させて冷ました湯冷ましを使うと、より髪に優しいため、おすすめです。

正しい使い方とコツ

せっかく作ったクエン酸リンスも、使い方が正しくないと効果が半減してしまいます。

以下の手順とコツを参考に、効果的に使いましょう。

  1. 石鹸などでシャンプーをした後、お湯でしっかりとすすぐ
  2. 洗面器にお湯を張り、作ったクエン酸リンスを適量(大さじ2~3杯程度)溶かす
  3. 洗面器に髪全体を浸し、優しくなじませる(後頭部や髪の内側にも行き渡るようにする)
  4. 直接髪にかける場合は、髪の根元から毛先までまんべんなく行き渡るようにする
  5. 1~3分ほど時間をおいて、髪に成分を浸透させる
  6. お湯でよく洗い流す(ぬるつきがなくなるまで、しっかりとすすぐ)

長時間放置しすぎると、かえって髪が乾燥する原因になることもあるため、放置時間は必ず守ってください。

クエン酸を使う時の5つの注意点

手軽で効果的なクエン酸でのヘアケアですが、使い方を間違えると髪や頭皮にダメージを与えてしまうこともあります。

「髪が痛むのでは?」

「薄毛の原因にならない?」

といった不安を解消するためにも、知っておきたい5つの注意点を詳しく解説します。

ポイントさえ押さえれば、クエン酸はあなたの美髪作りの頼れる味方になってくれるはずです。

【注意点1】適切な濃度を守る

「効果を高めたいから」と、クエン酸の濃度を濃くするのはやめましょう。

クエン酸は酸性度が強いため、濃度が高すぎると髪や頭皮に強い刺激となり、キューティクルを傷つけたり、頭皮の乾燥やかゆみを引き起こす可能性があります。

先述の基本レシピで紹介した、「水500mlに対してクエン酸大さじ3杯」の濃度が、安全かつ効果的な量の目安です。

まずはこの濃度で試し、髪や頭皮の状態を見ながら少しずつ調整するようにしましょう。

【注意点2】パーマやヘアカラー直後の使用は避ける

クエン酸にはキューティクルを引き締める「収斂作用」があります。

この作用によって、かけたばかりのパーマのカールが緩んだり、定着前のヘアカラーの色素が抜けやすくなったりする可能性があるのです。

美しく仕上げたパーマやカラーを長持ちさせるためにも、施術後すぐの使用は避けましょう。

少なくとも1週間程度は期間をあけ、その後も週1~2回の使用にとどめるなど、様子を見ながら続けることをおすすめします。

【注意点3】アルカリ性のシャンプーとセットで使う

クエン酸リンスの最大の魅力は、アルカリ性に傾いた髪を中和し、健康的な弱酸性へと戻すことです。

このため、アルカリ性の「石鹸シャンプー」との相性は抜群です。

一方で、市販されているシャンプーの多くは、もともと髪と同じ弱酸性に調整されています。

そのため、弱酸性のシャンプーの後にクエン酸リンスを使うと、髪が健康なpHバランスを通り越して酸性に傾きすぎてしまい、逆にきしみや手触りの悪化といったトラブルを招くことがあります。

ご自身が使っているシャンプーの性質を確認し、基本的には石鹸シャンプーとセットで使うものと覚えておくと安心です。

【注意点4】肌が弱い人は必ずパッチテストを行う

クエン酸は食品にも使われる安全性の高い成分ですが、まれに肌に合わない場合もあります。

特に肌が敏感な方やアレルギー体質の方は、使用前に必ずパッチテストを行いましょう。

パッチテストの基本的な手順は、以下の通りです。

  1. 基本レシピで作ったクエン酸リンスを、綿棒などで少量取る。
  2. 腕の内側の柔らかい部分に、10円玉くらいの大きさに薄く塗る。
  3. そのまま自然に乾燥させ、絆創膏などは貼らずに様子を見る。
  4. 24時間後、塗った部分に赤み、かゆみ、腫れ、ブツブツなどの異常がないか確認する。

もし少しでも異常が出た場合は、すぐに水で洗い流し、使用を中止してください。

【注意点5】目に入らないように気をつける

クエン酸は酸性のため、目に入ると強い痛みや刺激を感じることがあります。

リンスを髪になじませるときや洗い流すときは、目に入らないように顔を上げたり、しっかりと目を閉じるなどの注意が必要です。

万が一目に入ってしまった場合は、こすらずにすぐ大量のきれいな水で洗い流してください。

それでも痛みが続くようであれば、迷わず眼科を受診しましょう。

クエン酸と合わせて使いたい自然派ケアアイテム3選

クエン酸ケアを基本としながら、他の自然派アイテムを組み合わせることで、さらに効果を高め、より自分好みのヘアケアを実現できます。

ここからは、クエン酸との相性が良く、健やかな髪づくりをサポートしてくれるアイテムを3つご紹介します。

【ケアアイテム1】天然オイル

クエン酸リンスでキューティクルを整えた後の髪は、栄養や水分を吸収しやすい状態です。

このタイミングで、タオルドライ後の半乾きの髪にホホバオイルやアルガンオイルなどの天然オイルを1~2滴なじませると、髪に必要な油分が補われ、潤いを閉じ込められます。

さらに、オイルが髪の表面をコーティングして乾燥や外部刺激から守ってくれるため、クエン酸ケアの効果がより長く持続し、まとまりのある美髪をキープできます。

【ケアアイテム2】頭皮用ブラシ

健やかな髪は、血行の良い健康な頭皮から育まれます。

そこでおすすめなのが、シャンプー前の頭皮用ブラシによるやさしいブラッシング。

これにより頭皮の汚れや余分な皮脂が浮き上がり、シャンプーの効果が高まるのです。

さらに、シャンプー中やシャンプー後にもブラシを使って頭皮を心地よくマッサージすると、血行が促進されます。

クエン酸による頭皮のpHバランス調整効果と合わせれば、より健やかな頭皮環境を目指せます。

頭皮の毛穴詰まりは肌トラブルを引き起こす!原因と改善策を徹底解説

【ケアアイテム3】アミノ酸系シャンプー

「石鹸シャンプーのさっぱり感は好きだけど、きしみがどうしても気になる」

「毎日クエン酸リンスを続けるのは、ちょっと手間かも…」

そんな方には、髪や頭皮と同じ弱酸性で、洗浄成分がマイルドな「アミノ酸系シャンプー」がおすすめです。

アミノ酸系シャンプーは、髪への負担が少なく、必要な潤いを残しながら優しく洗い上げてくれるため、クエン酸リンスを使わなくても、しっとりとまとまりやすい髪に仕上がります。

石鹸シャンプーとクエン酸リンスを使う日と、アミノ酸系シャンプーだけで手軽に済ませる日を上手に使い分けるのも、忙しい毎日を快適にする賢い方法です。

手作りは面倒くさい方へ!コスメフェリーチェ「KOHAKU PLATINUM」

クエン酸リンスは手軽で効果的ですが、「毎日作るのは少し面倒」「保管場所に困る」「もっと良い香りでリラックスしたい」と感じる方もいるのではないでしょうか。

そんな「効果はほしいけれど手間はかけたくない」方におすすめしたいのが、私たちコスメフェリーチェが開発した「KOHAKU PLATINUM」シリーズです。

このシャンプー&トリートメントは、クエン酸ケアの発送である「pHバランスを整える」考え方を基盤に、プロの視点で厳選した補修・保湿成分を贅沢に配合しています。

髪の内部からダメージを補修し、うるおいに満ちた健やかな状態へと導きます。

手作りの良さを知っているからこそ開発できた、ワンランク上のサロン品質をぜひご自宅で体験してみてください。
「KOHAKU」の成分や使い方について、詳細はこちらをご確認ください。

クエン酸を正しく理解して、自分らしいヘアケアで理想の髪へ

本記事では、クエン酸が髪にもたらす効果から具体的な使い方、安全に使うための注意点までを詳しく解説しました。

クエン酸は、正しく理解して使えば、髪や頭皮の悩みを解決してくれる非常に優秀な天然成分です。

安価で手軽に始められる手作りのクエン酸リンスは、ナチュラル志向の方にとって素晴らしい選択肢と言えます。

一方で、忙しい毎日の中では、品質が安定していて、より高い効果や心地よさを追求した市販の製品を取り入れるのも賢い方法です。

ご自身のライフスタイルや髪の状態に合わせて、無理なく続けられる「自分らしいケア」を見つけましょう。

ABOUT US
五藤 良将(ごとう よしまさ)
五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。

研究分野:糖尿病、AGEs、動脈硬化

免許・資格:
• 医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員著書、論文所属
• 医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長
• 医療法人社団五良会 理事長

専門領域:
• 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 皮膚科
• 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 美容皮膚科