出産という大仕事を終えたママにとって、 抜け毛は避けて通れない悩みの一つです。
「産後の抜け毛が止まらない」 と、鏡を見るたびに落ち込む気持ち、 とてもよくわかります。
中には「育毛剤を使っても良いのだろうか?」と、お悩みの方も多いでしょう。
本記事では、産後の抜け毛の原因や、産後の抜け毛対策に効果的な育毛剤の選び方について解説します。
また、正しい育毛剤の使い方や、育毛剤以外の対策も紹介します。
ぜひ本記事の内容を参考に、産後の抜け毛の不安を解消しましょう。
目次
産後の抜け毛「産後脱毛症(分娩後脱毛症)」とは?
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産後の抜け毛は、多くのママが経験する一時的な現象で、産後脱毛症(分娩後脱毛症)とも呼ばれます。
しかし、「いつまで続くのだろう?」「このまま薄毛になってしまうのでは?」と、不安に感じる方も少なくありません。
以下では、産後の抜け毛がいつまで続くのか、その原因や正常な範囲、そして受診の目安について詳しく解説します。
産後の抜け毛の原因
産後の抜け毛の主な原因は、妊娠中に高まっていた女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少です。
妊娠中は、髪の成長を促すエストロゲンが多く分泌することで、通常よりも髪の量が増えたと感じることがあります。
しかし、出産後にエストロゲンの分泌量が元に戻ると、妊娠中のヘアサイクルがリセットされるため、妊娠中に育った髪の毛が一気に抜け落ちてしまいます。
これが、産後脱毛症の主なメカニズムです。
また、出産という大仕事による身体的な負担や育児による睡眠不足、ストレスなども抜け毛を悪化させる要因です。
以上の要因が複合的に重なることで、産後の抜け毛はより深刻化することがあります。
産後の抜け毛はいつまで続く?
産後の抜け毛は、一般的に産後2~3カ月頃から始まり、4~6カ月頃にピークを迎えることが多いです。
産後半年を過ぎる頃から徐々に抜け毛が落ち着き始め、1年程度で元の状態に戻ることが多いとされています。
ただし、抜け毛の時期や期間には個人差があり、産後の体調や生活習慣、年齢などによっても異なります。
受診が必要な抜け毛の症状
産後の抜け毛は自然な現象であることがほとんどですが、中には受診が必要なケースもあります。
以下のような症状が見られる場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
- 産後1年以上経っても抜け毛が改善しない場合
- 抜け毛の量が異常に多いと感じる場合
- 頭皮にかゆみや炎症がある場合
- 円形脱毛症のような、部分的な脱毛が見られる場合
- 抜け毛以外にも、体調不良や精神的な不調がある場合
以上の症状がある場合、甲状腺の病気や貧血、自己免疫疾患など、他の病気が原因で抜け毛が起こっている可能性も考えられます。
こういった際には、自己判断せずに、専門医の診察を受けることが大切です。
【産後の抜け毛向き】育毛剤の選び方

産後の抜け毛に悩むママにとって、育毛剤は心強い味方です。
しかし、数多くの商品の中から自分にぴったりの育毛剤を見つけるのは至難の業です。
以下では、産後のデリケートな頭皮と体調に合わせた育毛剤の選び方について解説します。
授乳中でも使用できるか
産後のママにとって、何よりも大切なのは赤ちゃんの安全です。
育毛剤を選ぶ際には、授乳中でも安心して使用できる成分かどうかを、必ず確認しましょう。
具体的には、以下の点に注意してください。
- 無添加・低刺激処方:アルコール、パラベン、着色料、香料などの添加物が少ないものを選ぶ
- 天然由来成分:植物エキスなど、天然由来の成分を主体とした育毛剤は、比較的刺激が少ない
- 第三者機関の安全性テスト済み:第三者機関によるパッチテストやアレルギーテストなどをクリアしている商品は、より安心して使用できる
パッケージの成分表示をよく確認し、不安な場合は医師や薬剤師への事前相談をおすすめします。
抜け毛の原因にあった有効成分が含まれているか
産後の抜け毛は、ホルモンバランスの乱れや出産による負担など、さまざまな要因が複合的に絡み合って起こります。
そのため、育毛剤を選ぶ際には、自分の抜け毛の原因に合った有効成分が含まれているかを確認することが重要です。
原因 | 有効成分 | 期待できる効果 |
---|---|---|
ホルモンバランスの乱れ | エストラジオール、イソフラボン | 女性ホルモンの減少を補い、ヘアサイクルを正常化 |
血行不良 | センブリエキス、ニンジンエキス、ショウキョウチンキ | 頭皮の血行を促進し、毛根への栄養補給をサポート |
頭皮の炎症 | グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン | 頭皮の炎症を抑え、健やかな頭皮環境を保つ |
栄養不足 | アミノ酸、ミネラル類 | 毛髪の成長に必要な栄養素を補給 |
複数の有効成分が配合されている育毛剤を選ぶと、より効果が期待できます。
ライフスタイルに合っているか
育毛剤は、毎日継続して使用することで効果を発揮します。
そのため、自分のライフスタイルに合った使いやすい育毛剤を選ぶことが大切です。
重視するポイントは以下の通りです。
重視するポイント | 詳細 |
---|---|
使用頻度 | 1日に数回使用するものから、1日1回でOKなものまであります。 忙しいママには、1日1回タイプがおすすめです。 |
テクスチャー | サラッとした液体タイプ、しっとりとしたジェルタイプなど、さまざまなテクスチャーがあります。 好みの使用感で選ぶと、毎日無理なく続けられます。 |
香り | 無香料のものから、アロマの香りがするものまであります。 リラックス効果のある香りを選ぶと、育毛ケアがより楽しくなります。 |
サンプルやトライアルセットなどを活用して、実際に使用感を試してみるのもおすすめです。
無添加・低刺激処方か
産後の頭皮は、非常にデリケートな状態です。
そのため、育毛剤を選ぶ際には、無添加・低刺激処方であることは必須条件と言えるでしょう。
具体的には、以下の成分が含まれていないかを確認しましょう。
- アルコール:乾燥や刺激の原因となることがある
- パラベン:防腐剤として使用されることがあるが、アレルギーを引き起こす可能性がある
- 着色料:頭皮への刺激となることがある
- 香料:合成香料は、刺激が強い場合がある
- 鉱物油:毛穴を詰まらせる可能性がある
継続して使用できる価格か
育毛剤は、効果を実感するまでに時間がかかる場合があります。
そのため、数カ月単位での継続使用を前提に、無理なく続けられる価格帯の育毛剤を選びましょう。
育毛剤の価格は数千円から数万円と幅広く、定期購入割引やまとめ買い割引などを利用すると、お得に購入できる場合があります。
口コミ・評判が良いか
実際に育毛剤を使用した人の口コミや評判は、育毛剤選びの貴重な情報源です。
インターネット上のレビューサイトやSNSなどで、さまざまな意見を参考にしてみましょう。
特に、自分と似たような悩みを持つ人の口コミは、参考になる可能性が高いです。
ただし、口コミはあくまで個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
鵜呑みにせず、総合的な判断が大切です。
育毛剤の正しい使い方と注意点

産後の抜け毛対策として育毛剤を選ぶことは大切ですが、その効果を十分に引き出すためには、正しい使い方を理解し、注意点を守ることが不可欠です。
以下では、育毛剤の正しい使い方と、使用する際の注意点について詳しく解説します。
育毛剤の正しい使い方
育毛剤の効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントを押さえてで正しく使用しましょう。
使い方のポイント | 詳細 | 目的 |
---|---|---|
頭皮を清潔にする | シャンプーで丁寧に洗い、タオルで水分を拭き取る | 育毛剤の浸透を妨げる汚れや皮脂を取り除く |
育毛剤を塗布する | 適切な量を頭皮に塗布する | 有効成分を頭皮に届ける |
頭皮をマッサージする | 指の腹で優しくマッサージする | 育毛剤の浸透を促進し、血行を促進する |
正しい方法でドライヤーをする | 20cm以上離し、温風を長時間当て続けない | 頭皮への刺激を最小限に抑える |
使用タイミングを守る | 朝晩など、決められたタイミングで使用する | 効果を最大限に引き出す |
なお、以下の記事では、育毛剤の使い方をより詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
育毛剤を使用する際の注意点
育毛剤を使用する際には、以下の点に注意しましょう。
- 使用上の注意をよく読む:用法・用量を守り、正しく使用する
- 肌に合わない場合はすぐに使用を中止する:かゆみ、赤み、湿疹などの異常が現れた場合は使用を中止する
- 他の育毛剤との併用は避ける:成分の重複や相互作用を防ぐ
- 長期的な視点でケアを行う:効果を実感するには継続的な使用が必要
なお、以下の記事では、育毛剤を使用する際の注意点に加え、育毛剤の副作用のリスクと対策についても解説しています。
育毛剤選びで失敗しないために、ぜひ参考にしてください。
【育毛剤以外】産後の抜け毛対策

産後の抜け毛対策は、育毛剤だけに頼るのではなく、日々の生活習慣を見直すことも大切です。
体の中からケアすることで、育毛剤の効果を十分に引き出し、抜け毛の根本的な改善を目指しましょう。
バランスの取れた食事を摂る
健康な髪を育てるためには、バランスの取れた食事が不可欠です。
特に、以下の栄養素は抜け毛予防に効果的とされています。
栄養素 | 効果 | 多く含む食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分であるケラチンの生成を助ける | 肉、魚、卵、大豆製品 |
亜鉛 | 髪の成長を促進し、頭皮の健康を保つ | 牡蠣、牛肉、レバー、ナッツ類 |
鉄分 | 髪に栄養を運ぶ役割を担う | レバー、赤身肉、ほうれん草、プルーン |
ビタミンB群 | 頭皮の血行を促進し、髪の成長を助ける | 豚肉、レバー、玄米、牛乳 |
ビタミンE | 抗酸化作用で頭皮の老化を防ぐ | アーモンド、アボカド、植物油 |
これらの栄養素をバランス良く摂取することを心がけましょう。
特に産後は、授乳などで栄養が不足しがちなので、積極的に取り入れるようにしましょう。
質の高い睡眠を確保する
睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、抜け毛を悪化させる原因です。
質の高い睡眠を確保することで、成長ホルモンの分泌を促し、髪の成長をサポートしましょう。
質の高い睡眠を得るためのポイントは以下の通りです。
- 毎日同じ時間に寝起きする
- 寝る前にカフェインやアルコールを摂取しない
- 寝る前にスマートフォンやパソコンなどの画面を見ない
- 寝室を暗く、静かで、涼しい環境にする
- 適度な運動をする
しかし、産後は夜間の授乳や夜泣きなどで、睡眠時間が細切れになりがちです。
そのため、 昼寝や仮眠をとったり、家族に頼って睡眠時間を確保することが大切です。
自分なりのリラックス方法を見つける
ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、血行不良やホルモンバランスの乱れにつながり、抜け毛を悪化させます。
そのため、自分なりのリラックス方法を見つけ、適度にストレスを解消することが大切です。
育児中は自分の時間がなかなか取れないかもしれません。
家族や友人に頼ったり、第三者サービスを利用したりして、意識的にリラックスできる時間を作るようにしましょう。
正しいヘアケアを行う
毎日のヘアケアも、抜け毛対策には欠かせません。
正しい方法でヘアケアを行い、頭皮と髪への負担を軽減しましょう。
シャンプー | ・シャンプー前にブラッシングで髪の絡まりをほぐし、汚れを落とす ・ぬるま湯で頭皮と髪を十分に濡らす ・シャンプーをよく泡立てて、指の腹で優しく頭皮をマッサージするように洗う ・シャンプーが残らないように、しっかりとすすぐ |
ブラッシング | ・目の粗いブラシで、優しくブラッシングする ・頭皮を傷つけないように、力を入れすぎない |
ドライヤー | ・タオルドライで髪の水分をしっかり拭き取る ・ドライヤーは頭皮から20cm以上離して、同じ場所に当て続けない ・温風と冷風を交互に使い、髪を乾かす ・最後に冷風を当てると、キューティクルが引き締まり、髪にツヤが出る |
特に、産後の頭皮はデリケートになっているので、刺激の少ないシャンプーを選び、優しく丁寧に洗いましょう。
頭皮マッサージで血行を促進する
頭皮マッサージは血行を促進し、髪の成長に必要な栄養を届けやすくする効果があります。
育毛剤の効果を高めるためにも、積極的に取り入れましょう。
頭皮マッサージの方法は以下の通りです。
- 指の腹で、頭皮全体を優しく揉みほぐす
- 生え際から頭頂部、襟足から頭頂部に向かって、円を描くようにマッサージする
- 指の腹で、頭皮を軽く叩く
お風呂上がりや育毛剤を使用する際に行うのがおすすめです。
毎日続けることで、より効果を実感できるでしょう。
まとめ:産後の抜け毛対策用の育毛剤選びは慎重に

産後の抜け毛は、多くのママが経験する一時的な現象です。
ホルモンバランスの変化や出産による身体への負担が主な原因ですが、適切なケアを行うことで改善が期待できます。
もし育毛剤を選ぶ際は、授乳中でも使用できる安全性や無添加・低刺激処方であることなどのポイントを意識し、慎重に選ぶようにしましょう。
また、正しい使い方を意識することに加え、できる限りの生活習慣の見直しを行うことで、より効果的な抜け毛対策が期待できます。
産後のデリケートな時期だからこそ、ご自身の心と体を大切にしながら、前向きに抜け毛対策に取り組んでいきましょう。