夏の頭皮のかゆみが止まらない!原因と対策を徹底解剖&皮膚科受診の目安を解説

夏の頭皮のかゆみが止まらない!原因と対策を徹底解剖&皮膚科受診の目安を解説

「夏になると、どうしてこんなに頭がかゆくなるんだろう……」
「汗で蒸れて、仕事中もつい頭をかいてしまう」

そんな悩みを毎年抱えていませんか?

夏が来るたびに繰り返される頭皮のかゆみ。

汗による蒸れ、エアコンによる乾燥など、頭皮がかゆくなる原因はひとつではありません。

このまま放置すると、かゆみだけでなくフケや炎症など別のトラブルに繋がることもあります。

だからこそ、原因をしっかりと把握したうえで効果的な対策を実施することが大切です。

本記事では、専門的な情報をもとに次の3つを徹底解説します。

  1. なぜ夏になると頭皮がかゆくなるのか、その根本原因
  2. 今日からすぐに実践できる、正しいセルフケア方法
  3. ドラッグストアで買える、あなたに合ったかゆみ対策アイテム

最後まで読めば、かゆみによるストレスや周りの目を気にする心配から解放され、快適に過ごせるようになります。

今年こそ、かゆみの悩みから解放され、頭皮トラブルのない快適な夏を過ごしましょう。

目次

夏に頭皮がかゆくなる7つの原因

夏の頭皮のかゆみは、単に「汗をかくから」ではありません。

実は、夏特有のさまざまな要因が複雑に絡み合い、デリケートな頭皮環境を悪化させているのです。

まずは、夏に頭皮がかゆくなる7つの主な原因をチェックしてみましょう。

原因概要
1. 汗・皮脂の分泌量増加高温により皮脂腺が活発化し、汗と混ざることで雑菌が繁殖しやすくなる。
2. 紫外線ダメージ頭皮は顔の数倍の紫外線を浴びており、バリア機能が低下しやすい。
3. 間違ったヘアケア洗浄力の強いシャンプーやゴシゴシ洗いは、必要な潤いまで奪ってしまう。
4. エアコンによる乾燥室内外の寒暖差と乾燥した空気で、頭皮は知らず知らずのうちに乾燥する。
5. 長時間の蒸れ帽子やヘルメットの着用で頭皮が蒸れ、雑菌の温床になる。
6. ストレスや生活習慣の乱れ睡眠不足や食生活の乱れは、頭皮の健康にも直接影響する。
7. ホルモンバランスの変化特に女性は、更年期などでホルモンバランスが乱れるとかゆみが出やすい。

【原因1 汗・皮脂の分泌量増加

夏は気温が高く、体が体温を調節しようと汗をたくさんかきます。

同時に、頭皮の皮脂腺も活発になり、皮脂の分泌量が一気に増加します。

この汗と過剰な皮脂が混ざり合うと、汗と皮脂が混ざり合うことで、頭皮の常在菌であるマラセチア属真菌が増殖しやすくなります。

通常は無害ですが、皮脂分泌の多い環境下では皮膚炎(脂漏性皮膚炎など)を引き起こすことがあります。

マラセチア菌は皮脂をエサにして刺激物質を作り出し、それが頭皮のかゆみや炎症の引き金となってしまいます。

【原因2】紫外線ダメージ

意外と見落とされがちですが、頭皮は体の中でもっとも太陽に近い場所です。

髪の毛に守られているように思えても、分け目やつむじは無防備で、顔の何倍もの紫外線を浴びています。

紫外線は表皮の角層にあるバリア機能を破壊し、経皮水分喪失を増加させることで乾燥や刺激を感じやすくなります。

感想した頭皮は刺激に敏感になり、少しの汗や摩擦でもかゆみを感じやすくなるのです。

【原因3】間違ったヘアケア

「夏は頭がベタつくから、しっかり洗わないと!」

そんな思い込みが、実は頭皮トラブルを招く原因になっていることもあります。

洗浄力の強すぎるシャンプーを使ったり、爪を立ててゴシゴシ洗ったりすると、頭皮を守るために必要な皮脂まで奪われてしまいます。

その結果、乾燥した頭皮は潤いを取り戻そうと過剰に皮脂を分泌しようとして、かゆみの悪循環に陥ることがあるのです。

正しいケアは「落としすぎないこと」がポイントです。

【原因4】エアコンによる乾燥

「夏は汗で蒸れるのに、乾燥?」と不思議に思うかもしれませんが、実はエアコンによる空気の乾燥も頭皮トラブルの隠れた原因です。

長時間エアコンの効いた環境にいると、肌と同じように頭皮の水分もどんどん奪われていきます。

この「隠れ乾燥」によってバリア機能が低下し、かゆみを引き起こす一因になっているのです。

【原因5】長時間の蒸れ

夏は紫外線対策やファッションで帽子をかぶる機会も増えますが、これも注意が必要です。

帽子の中は熱と湿気がこもりやすく、まるでサウナのような状態になります。

長時間着用していると頭皮が蒸れて、高温多湿の環境で雑菌が繁殖しやすくなります。

その結果、頭皮が刺激されてかゆみや炎症を引き起こしてしまうのです。

【原因6】ストレスや生活習慣の乱れ

夏の暑さによる寝苦しさや、食欲不振など、生活リズムの乱れも頭皮環境に影響します。

例えば、ストレスや睡眠不足は、自律神経やホルモンバランスを乱し、血行不良や皮脂の過剰分泌を招きます。

また、脂っこいものや甘いものの食べ過ぎも、皮脂の分泌を増やす原因になるため、注意が必要です。

【原因7】ホルモンバランスの変化(更年期など)

特に30代後半から40代以降の女性は、ホルモンバランスの変化が頭皮トラブルの一因になることがあります。

更年期に入ると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少します。

エストロゲンは、皮脂の分泌をコントロールし、肌や頭皮の潤いを守る大切な役割を担っています。

このエストロゲンが減ることで頭皮が乾燥しやすくなり、外部からの刺激に敏感になってかゆみを感じやすくなるのです。

夏の頭皮のかゆみを抑えるケア方法7選

かゆみの原因がわかったところで、次は具体的な対策を見ていきましょう。

特別なことをする必要はありません。

毎日の習慣を少し見直すだけで、つらいかゆみはぐっと楽になります。

今日からできるセルフケア方法は、下記の7つです。

ケア方法ポイント
1. 低刺激なシャンプーを使うアミノ酸系など、頭皮の潤いを守るタイプを選ぶ
2. 正しい洗い方を学ぶ予洗いとすすぎを丁寧に。指の腹で優しく洗う
3. 頭皮用ローションを使う顔と同じように、シャンプー後は頭皮も保湿する
4. 紫外線対策を徹底する日傘や帽子、頭皮用のUVスプレーを活用する
5. 汗はこまめに拭き取る汗を放置せず、清潔なタオルやシートで拭く
6. 頭皮マッサージを行う血行を促進し、頭皮環境を健やかに保つ
7. バランスの良い食事と質の良い睡眠体の内側から頭皮の健康をサポートする

【セルフケア1】低刺激なシャンプーを使う

毎日のシャンプーは、頭皮のかゆみ対策の基本です。

夏のベタつきが気になるからと、洗浄力の強いシャンプーを選ぶのは逆効果です。

おすすめは、頭皮の潤いを守りながら、汚れはきちんと落とす「アミノ酸系」や「ベタイン系」の洗浄成分を使った、低刺激なシャンプーを選ぶこと

フケやかゆみを抑える有効成分(グリチルリチン酸2Kなど)が配合された薬用シャンプーを選ぶのも良いでしょう。

私たちコスメフェリーチェがご提供している「KOHAKU」は、頭皮やヘアケアの悩みに寄り添うシャンプー&トリートメントです。
「KOHAKU」の成分や使い方について、詳細はこちらをご確認ください。

【セルフケア2】正しい洗い方を学ぶ

シャンプーの選び方と同じくらい大切なのが、髪の洗い方です。

間違った洗い方は、どんなに良いシャンプーを使っても効果を半減させます

以下のステップを参考に、今日から実践しましょう。

  1. 予洗い:シャンプー前に38℃前後のぬるま湯で頭皮と髪を1〜2分しっかりすすぎます。これだけで汚れの7〜8割は落ちます。
  2. 泡立て:シャンプーは直接頭皮につけず、手のひらでしっかり泡立ててから髪へ。空気を巻き込むようにふわっと泡立てるのがコツ。
  3. 洗う:爪を立てず、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗います。耳の後ろや襟足は、洗い残しが多い部分なので意識して洗いましょう。
  4. すすぎ:シャンプー成分が残らないよう、洗い時間の2〜3倍の時間をかけて丁寧にすすぎます。髪の生え際や耳周りもしっかり洗い流しましょう。

【セルフケア3】頭皮用ローションを使う

お風呂上がりに顔へ化粧水をつけるように、頭皮にも保湿ケアを取り入れましょう。

シャンプー後の頭皮は水分が失われやすく、乾燥しがちな状態です。

頭皮用の保湿ローションやエッセンスを使って潤いを補えば、かゆみやフケの予防に効果的。

セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分が配合された製品がおすすめです。

また、ベタつかないスプレータイプなら、忙しい日でも手軽にケアできます。

【セルフケア4】紫外線対策を徹底する

外出時には、日傘や通気性の良い帽子をかぶる習慣をつけましょう。

帽子をかぶるのが難しい場合は、分け目を定期的に変えるだけでも、紫外線が同じ場所に集中するのを防げます。

最近では、髪や頭皮に使えるスプレータイプの日焼け止めも多く販売されています。

SPF値やPA値を確認し、汗をかいた後はこまめな塗り直す習慣をつけましょう。

【セルフケア5】汗はこまめに拭き取る

汗をかいたまま放置すると、雑菌が繁殖しやすくなり、かゆみの原因になります。

汗をかいたときは、乾いた清潔なタオルでこまめに押さえるように拭き取りましょう。

できるだけ早めに汗を洗い流すのが理想的ですが、外出先でシャワーを浴びられない場合は、頭皮用のウェットシートやドライシャンプーを活用するのもおすすめです。

頭皮を清潔に保つことが、かゆみ予防の第一歩です。

【セルフケア6】頭皮マッサージを行う

頭皮の血行が悪いと、髪や頭皮に必要な栄養が届きにくくなり、健康な頭皮環境が損なわれてしまいます。

シャンプーのついでや、テレビを見ながらのリラックスタイムに、簡単な頭皮マッサージを取り入れてみましょう。

指の腹で頭皮全体を優しく動かすように揉みほぐすようにマッサージします。

気持ち良いと感じるくらいの力加減で行うのがポイントです。

頭皮マッサージは、血行が促進されるだけでなく、リラックス効果も期待できるので、毎日の習慣にすると心身ともにリフレッシュできます。

【セルフケア7】バランスの良い食事と質の良い睡眠を心がける

健康な頭皮は、健康な体からつくられます。

外側からのケアと同じくらい、内側からのケアも大切です。

皮膚や粘膜の健康を保つビタミンB群(豚肉、レバー、うなぎなど)や、細胞の生まれ変わりを助ける亜鉛(牡蠣、牛肉、ナッツ類など)は、積極的に摂りたい栄養素です。

さらに、質の良い睡眠とストレスを溜めない生活を心がけることが、頭皮環境の改善に大きく貢献します

以下の記事では、頭皮や髪に優しい食事について、具体的なレシピとともに紹介しています。

かゆみを繰り返さないために大切な4つの習慣改善ポイント

頭皮のかゆみが一度落ち着いても、対策をやめてしまうと再び同じ症状に悩まされる可能性があります。

再発を防ぐためには、日々の習慣を見直して継続することがとても重要です。

かゆみを繰り返さないために意識したいポイントは、下記の4つです。

  1. 季節に合ったヘアケアを続ける
  2. 睡眠と食事で内側から健康にする
  3. ストレスをため込まない
  4. 頭皮が触れるアイテムを清潔に保つ

【ポイント1】季節に合ったヘアケアを続ける

まず大切なのは、季節ごとに頭皮環境に合ったヘアケアを続けることです。

夏のベタつき対策だけでなく、秋冬の乾燥や皮脂バランスの乱れにも気を配りましょう。

低刺激シャンプーや頭皮用ローションは、季節を問わず日常的に取り入れるのがおすすめです。

【ポイント2】睡眠と食事で内側から健康にする

健康な細胞の再生には、良質な睡眠とバランスのとれた食事が欠かせません。

特に意識したいのは、ビタミンB群・ビタミンC・鉄分・亜鉛です。

これらの栄養素は頭皮の血行を促し、潤いのある健やかな状態をサポートします。

食事だけで補うのが難しい場合は、サプリメントを検討するのも一つの方法です。

【ポイント3】ストレスをため込まない

そして三つ目は、ストレスを溜め込まないこと。

ストレスが溜まると、自律神経が乱れ、血流や皮脂の分泌に影響を与えてしまいます。

湯船にゆっくりつかる、軽い運動を取り入れる、趣味の時間を作るなど、自分なりのリフレッシュ法を見つけて実践しましょう。

【ポイント4】頭皮が触れるアイテムを清潔に保つ

枕カバーや帽子など、頭皮が直接触れるアイテムの清潔さにも注意しましょう。

雑菌や汚れが付着したままの布製品は、かゆみの原因を呼び寄せてしまいます。

週に1〜2回の洗濯や交換を心がけ、衛生環境からも頭皮を守る意識を持つことが大切です。

ちょっとしたことの積み重ねが、頭皮のかゆみの再発を防ぐための第一歩です。

毎日の意識と丁寧なケアで、ストレスフリーな頭皮環境を目指しましょう。

セルフケアで改善しない場合は皮膚科受診も要検討

頭皮 かゆい

ここまでに紹介したセルフケアを試しても、かゆみが一向に良くならないこともあります。

そんなときは、我慢せず早めに皮膚科の専門医に相談しましょう。

強いかゆみの裏には、単なる夏特有の頭皮トラブルではなく、治療が必要な皮膚の病気が隠れている可能性もあります。

脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎の可能性も

なかなか治らない頭皮のかゆみで考えられる代表的な皮膚疾患には、以下のようなものがあります。

疾患名主な特徴
脂漏性皮膚炎・皮脂の多い場所に発症しやすい
・ベタベタした黄色っぽいフケが出る
・頭皮が赤くなる
・マラセチア菌が関与していることが多い
接触皮膚炎(かぶれ)・特定の物質に触れることで起こる
・シャンプーやヘアカラー剤などが原因になることもある
・赤み、ブツブツ、強いかゆみが出る
アトピー性皮膚炎・もともとアレルギー体質の人に多い
・強いかゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す
・頭皮だけでなく、顔や首、ひじ
・ひざの裏などにも症状が出やすい

これらの疾患は、自己判断で市販薬を使い続けると、かえって悪化させてしまうことも。

できるだけ早く正しい診断と治療を受けることが、改善への一番の近道です。

皮膚科へ相談すべき目安症状

「これって病院に行くべき?」と迷ったら、次のチェックリストを参考にしてください。

一つでも当てはまれば、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

  • 2週間以上、毎日強いかゆみが続いている
  • フケの量が異常に多い(肩に積もる、ベタベタしているなど)
  • 頭皮に赤みや湿疹、ブツブツができている
  • 頭皮がじゅくじゅくしたり、かさぶたができている
  • かきすぎて血が出たり、抜け毛が増えてきた
  • 市販のかゆみ止め薬を使っても、効果を感じられない

よくある質問(FAQ)

夏の頭皮ケアについて、よく寄せられる疑問をまとめました。

Q. 冷水で洗った方がいいの?

いいえ、頭皮を洗うときはぬるま湯がベストです。

冷水は毛穴を引き締める効果があるものの、皮脂やスタイリング剤などの油性の汚れを十分に落としきれません。

反対に、熱すぎるお湯は必要な皮脂まで奪い、乾燥やかゆみの原因になります。

皮脂汚れを適度に落とし、頭皮への刺激を防ぐには、37度〜39度程度のぬるま湯で洗うのが理想的です。

Q. シャンプーの回数を増やすのはNG?

はい、基本的には1日1回で十分です。

夏は汗やベタつきが気になるため、朝晩2回シャンプーしたくなるかもしれませんが、洗いすぎはNGです。

頭皮のバリア機能が壊れ、乾燥やかゆみを悪化させる恐れがあります。

汗をかいた場合は、シャワーで軽くお湯洗いする程度にとどめ、シャンプーを使った洗髪は夜に1回、丁寧に行うのがおすすめです。

Q. フケと乾燥の違いってどう見分ける?

フケには2種類あり、それぞれ原因や対処法が異なります。

違い乾性フケ(乾燥が原因)脂性フケ(皮脂が原因)
見た目パラパラとした、白く細かい粉状黄色っぽく、湿り気があり、大きめの塊
頭皮の状態カサカサと乾燥しているベタついていて、赤みがあることも
対処法保湿を重視したケア、洗浄力のマイルドなシャンプー皮脂をコントロールするケア、抗真菌成分配合のシャンプー

自分のフケがどちらのタイプかを見極め、頭皮の状態に合ったケアを行うことが大切です。

正しい頭皮ケアで、かゆみのない快適な夏を過ごそう

夏のしつこい頭皮のかゆみは、本当にストレスですよね。

しかし、その原因は一つではなく、汗や皮脂、紫外線、間違ったケアなど、さまざまな要因が重なって起きているものです。

大切なのは、まず自分の頭皮の今の状態と、かゆみの原因を正しく理解すること。

その上で、毎日のシャンプーの選び方や洗い方を見直し、紫外線対策や保湿といった基本的なケアを丁寧に行うことが、改善への一番の近道です。

今回ご紹介したセルフケアを実践すれば、きっと不快なかゆみは和らぎます。

もし症状が改善しない場合は、決して一人で悩まず、皮膚科の専門医に相談してください。

正しい知識とケアを身につけて、今年こそかゆみのストレスから解放され、心から夏を楽しみましょう。

ABOUT US
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新田 凌也
経歴 島根大学医学部卒業 神戸大学医学部附属病院初期研修 湘南美容クリニック 新潟/姫路院 ビューティスクリニック/株式会社ナンバーワン/株式会社MedAD 所属 • 9clinic/ビューティスクリニック 顧問 専門領域 • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 皮膚科 • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 美容皮膚科