紫外線は髪の大敵。
特に日差しの強い夏は、髪がパサついたりゴワついたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
とはいえ「具体的にどう対策すればいいの?」「傷んだあとのケアは必要?」など、正しい方法がわからず悩んでいる方も少なくありません。
本記事では、医師監修のもと、髪の毛の紫外線対策と日焼け後のケア方法を詳しく解説します。さらに、製品の選び方や正しい使い方、注意点もご紹介します。
髪の毛の紫外線ダメージをしっかり防ぎたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
紫外線ダメージで髪の毛に起こる症状

肌が日焼けするのと同じように、髪の毛も紫外線によってダメージを受けます。
紫外線対策の重要性を理解するためにも、まずは髪の毛にどのような症状が現れるのかをチェックしましょう。
【症状1】キューティクルの損傷
髪の毛の表面は、うろこ状のキューティクルによって保護されています。
これは、髪内部の水分や栄養を閉じ込める“フタ”の役割を果たし、外部刺激や紫外線から髪を守る重要なバリアです。
しかし、強い紫外線を長時間浴びると、キューティクルが剥がれたり浮き上がったりして構造が乱れ、正常な保護機能を失います。
特に、夏場の強い日差しや、海・プールなどのレジャー環境では、その損傷が顕著です。
キューティクルが損傷すると、髪内部の水分やタンパク質が流出しやすくなり、髪はパサつきやごわつきを感じやすくなるほか、切れ毛や枝毛が増える原因にもなります。
【症状2】パサつき・枝毛
紫外線は、髪の主成分であるタンパク質にも深刻なダメージを与えます。
強い紫外線を浴び続けると、タンパク質の構造が変性し、髪内部に空洞が生じやすくなります。
これにより、水分や栄養が失われやすくなり、髪はパサつき・ゴワつき・うねりが目立つ状態に。
キューティクルの損傷と相まって髪の強度は低下し、ちょっとした摩擦でも切れ毛や枝毛が起こりやすくなります。
結果、髪型が決まらず、全体の印象が老けて見えてしまうこともあります。
【症状3】抜け毛
紫外線によるダメージは、髪の表面だけにとどまりません。
さらに深い部分、毛根の奥深くにある毛母細胞にまで及ぶことがあります。
毛母細胞は、髪の毛を作り出す細胞です。
紫外線ダメージを受けると、機能が低下して健康な髪が育ちにくくなることで、抜け毛・薄毛を進行させます。
さらに、紫外線によって頭皮が乾燥し、血行不良や炎症が起こると、毛根への栄養供給が滞り、抜け毛がさらに悪化する悪循環に陥る可能性もあります。
特に分け目や頭頂部は、紫外線を直接受けやすいため、徹底した対策が必要です。
紫外線と抜け毛との関係については、以下の記事でも詳しく解説しています。
【症状4】ヘアカラーの褪色
夏にせっかくきれいに染めたヘアカラーが、すぐに色落ちしてしまう。
そんな経験はありませんか?
実は、その大きな原因の一つが、紫外線です。
紫外線には、髪の色素であるメラニンを分解する作用があり、この影響で髪に入れた染料も破壊されやすくなります。
さらに、紫外線は髪表面のキューティクルを開かせ、内部のカラー剤が流出しやすい状態にするため、放置するほど色落ちは加速します。
特に、アッシュ系・ピンク系・ベージュ系などの繊細なカラーは紫外線ダメージに弱く、褪色しやすい傾向があるため要注意です。
ヘアカラーを長く楽しむためにも、日常的な紫外線対策は欠かせません。
髪の毛の紫外線対策グッズ4選

紫外線から髪を守るためには、物理的に紫外線を遮る方法と、UVカット製品で髪を保護する方法の2つのアプローチが効果的です。
ここでは、日常に取り入れやすい「髪の紫外線対策グッズ」を4つ厳選してご紹介。それぞれの特徴や正しい使い方、選ぶ際のポイント、使用時の注意点まで詳しく解説します。
紫外線対策を万全にして、ダメージ知らずの美しい髪を目指しましょう。
【対策グッズ1】髪の毛用の日焼け止めスプレー
髪用のUVカットスプレーは、紫外線から手軽に髪の毛を守れるアイテムです。
サッとひと吹きするだけで髪を守れるため、忙しい朝でも習慣化しやすいのが魅力です。
適切な商品を選ぶために、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 基本はPA+++以上、紫外線が直接当たるときはSPFが高いものを選ぶと安心
- 髪や頭皮にやさしいノンシリコン・無香料・アルコールフリー処方がおすすめ
- オイルインタイプやミストタイプなど、使うシーンに合わせて選ぶ
使用する際は、髪から10cm〜15cmほど離して、全体にまんべんなくスプレーしましょう。
特に紫外線を浴びやすい、分け目・つむじ・生え際には念入りにつけるのがポイントです。
ただし、スプレーを頭皮に直接かけると、毛穴をふさいだり炎症を起こすリスクがあるため、注意しましょう。
使用後は、その日のうちにシャンプーでしっかり洗い流すことも忘れずに。
【対策グッズ2】日傘
日傘は、髪だけでなく顔や体全体を紫外線から守れる強力なアイテムです。
紫外線ダメージの予防に加え、頭皮の温度上昇を抑えることで熱中症対策にも役立ちます。
選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてください。
- UVカット率99%以上、遮光率1級のものを選ぶ
- 内側が黒色のタイプは、地面や壁の反射光も吸収
- 晴雨兼用なら、急な雨でも使えて便利
ただ差すだけでなく、日差しの向きや反射光といった周囲の環境に合わせて、角度を調整するのがポイントです。
【対策グッズ3】帽子
帽子は、日傘と同様に物理的に紫外線を遮るアイテムです。
日焼け止めやスプレーのように何度も塗り直す必要がなく、風が強い日でも安心して利用できます。
選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。
- つばが7cm以上あるデザインで、顔や首の後ろまでしっかりカバー
- UVカット加工済み、または目が詰まった素材を選ぶ
- 通気性や軽さを重視し、汗をかいてもムレにくいものを選ぶ
帽子は長時間着用するとムレやすいため、適度に帽子を外して通気させる、汗をこまめに拭くなどのケア切です。
【対策グッズ4】ヘアバーム&オイル
最近注目されているのが、UVカット成分を配合したヘアバームやヘアオイルです。
これらは髪の毛の表面に保護膜を作り、紫外線によるダメージを防ぎながら、同時に保湿とツヤ出し効果も期待できます。
スタイリングとケアが同時にできるのがうれしいポイントです。
選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- UVカット成分配合で保護力があるものを選ぶ
- シアバターやアルガンオイル、ホホバオイルなどの保湿成分入りの商品を選ぶ
- 髪質や仕上がりの好みに合ったテクスチャーを選ぶ
使用する際は、少量を手に取り、毛先を中心に全体へなじませます。
紫外線対策だからといってつけすぎると、髪が重たく見えることや、ぺたんとした仕上がりになってしまいます。
そのため、慣れるまでは少量から、徐々に調整するのがおすすめです。
髪の毛が日焼けした時のアフターケア

日焼け後の髪と頭皮は、軽いやけどを負ったような非常にデリケートな状態です。
日焼けした状態を放置すると抜け毛や薄毛、パサつきなどにつながるため、早急なケアが必要です。
本章では、髪の毛が日焼けしたときの正しいアフターケアを紹介します。
【ステップ1】冷やしたタオルでクールダウン
紫外線を浴びて熱を持った髪の毛は、まずクールダウンが最優先です。
頭皮がほてったまま放置すると、炎症が悪化し、髪のダメージが深刻化する恐れがあります。
冷やす際は、水で濡らしたタオルやタオルで包んだ保冷剤などをやさしく頭皮に当てて、炎症を鎮めましょう。
特に分け目や生え際、紫外線が直撃しやすい頭頂部などを中心に、数分間当てて冷やすことで、炎症や赤みの悪化を防げます。
ただし、氷や冷却スプレーを直接頭皮に当てると刺激が強すぎて炎症を悪化させる恐れがあるため、タオル越しに冷やすのが安全です。
【ステップ2】軽くブラッシング
シャンプーの前には、軽くブラッシングをして髪同士の絡まりをほどいておくことが大切です。
紫外線を浴びた髪はキューティクルが開き、特に絡まりやすい状態になっています。
濡れた状態で無理にブラッシングすると、切れ毛や抜け毛を促進します。
ブラッシングの際は、必ず乾いた状態で、目の粗いコームや手ぐしを用いて毛先から少しずつとかしましょう。
ブラッシングのひと手間により、シャンプーの際の摩擦を軽減でき、髪の毛へのダメージを最小限に抑えられます。
【ステップ3】低刺激シャンプーでやさしく洗浄
日焼け後のデリケートな頭皮には、洗浄力がマイルドかつ保湿力のあるアミノ酸系のシャンプーが最適です。
シャンプーをしっかりと泡立ててから、指の腹を使って頭皮をマッサージするようにやさしく洗いましょう。
この際、爪を立ててゴシゴシ洗うのは、頭皮を傷つけることになるため厳禁です。
また、 すすぎ残しがあるとかゆみや炎症の原因になるため、シャンプー後はぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。
【ステップ4】高保湿トリートメントで潤いをチャージ
シャンプーのあとは、トリートメントで失われた水分と油分を徹底的に補給します。
トリートメントは、髪の中間~毛先を中心にしっかりともみ込みましょう。
蒸しタオルで髪全体を包み、5分〜10分ほど放置すると、浸透力が高まり効果がアップします。
なお、使用するトリートメントは、紫外線により損なわれた脂質やタンパク質バリアを補うため、セラミド、ヒアルロン酸、加水分解ケラチン、アミノ酸、コラーゲンなどを含むものを使用すると効果的です。
週1回〜2回のスペシャルケアで、紫外線によるダメージを集中補修し、しっとりまとまりのある髪の毛を維持できます。
髪の毛を紫外線から守る2つの生活習慣

紫外線対策は、外出時だけでなく日々の生活習慣の中にも取り入れることで、より効果を高められます。
本章では、今日から意識したい紫外線から守るための生活習慣を紹介します。
【髪を守る生活習慣1】美髪を育む食事
紫外線に負けない、ツヤとハリのある美しい髪は、外側からのケアだけでなく内側からの栄養補給も欠かせません。
健康的な髪を育てるためには、毎日の食事で髪の生成や成長をサポートする栄養素を意識して取り入れることが大切です。
ここでは、美髪づくりに役立つ主な栄養素とそのポイントをご紹介します。
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食材の例 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分であるケラチンの材料 | ・肉 ・魚 ・卵 ・大豆製品 |
ビタミンA | 頭皮の新陳代謝を促し、健康な状態を維持 | ・緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ) ・レバー ・うなぎ |
ビタミンC | コラーゲンの生成をサポートし、頭皮の弾力を維持 | ・ブロッコリー ・キウイフルーツ ・柑橘類 |
ビタミンE | 血行を促進し、頭皮に栄養を届けやすくする | ・ナッツ類 ・アボカド ・植物油 |
亜鉛 | タンパク質の合成をサポート | ・レバー ・牛肉 ・チーズ |
これらの栄養素は、それぞれ単独で働くのではなく、互いに作用し合って髪の健康をサポートします。
そのため、バランスの良い食事を心がけることが、美しい髪への近道といえるでしょう。
特に紫外線が強まる春〜夏の時期は、体内で酸化ストレスが増加しやすいため、抗酸化作用を持つビタミン類を積極的に摂取することが大切です。
また、忙しさや夏の暑さで食欲が落ちる時期は、サプリメントやプロテインなどの栄養補助食品を上手に活用するのもおすすめ。
無無理なく続けられるインナーケアで、紫外線ダメージに負けない強くしなやかな髪を育てましょう。
【髪を守る生活習慣2】質の高い睡眠
「髪は夜に育つ」といわれるほど、睡眠は髪の健康を支える重要な要素です。
質の高い睡眠を取ることで、頭皮の血流が促進され、毛母細胞の働きが活性化します。
結果として、ハリ・コシのある健康的な髪の毛が育ちやすくなるのです。
質の高い睡眠を取るためには、以下のような習慣を取り入れましょう。
- 就寝の1~2時間前からスマートフォンやパソコンの使用を控える
- 36℃~38℃程度のぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
- 寝室の照明を暗めにして、快適な温度・湿度を保つ
- 就寝・起床時間を一定にして生活リズムを整える
良質な睡眠を習慣化することで、紫外線に負けない健やかな髪を育てましょう。
頭皮の日焼け対策も大切

美しい髪を育てるためには、髪の毛だけでなく、土台となる頭皮のケアも欠かせません。
頭皮が日焼けすると、乾燥や炎症を引き起こすだけでなく、毛根にダメージが及び、抜け毛や白髪の原因になることも。
特に紫外線が強い季節は、分け目や生え際が知らぬ間に日焼けし、トラブルのもとになりやすいのです。
そのため、外出時には以下のような頭皮の日焼け対策を習慣にしましょう。
- 髪用のUVスプレーを分け目や生え際にしっかり塗布
- 帽子や日傘で物理的に紫外線を遮断
- 帰宅後は、低刺激のシャンプーで頭皮をやさしく洗い流し、保湿ケアを忘れずに
顔や体と同じく、頭皮にも日々の紫外線ケアを取り入れ、健やかな頭皮環境を保ちましょう。
髪の毛の万全な紫外線対策でツヤ髪をキープしよう

紫外線は、私たちが思っている以上に髪に多くのダメージを与えています。
だからこそ、紫外線が髪の毛に与える影響を理解し、適切な対策を行うことが大切です。
例えば、外出時には日傘や帽子、UVカットスプレーで物理的にガードし、帰宅後は低刺激なシャンプーや高保湿トリートメントなどを用いてアフターケアを徹底しましょう。
加えて、バランスの取れた食事と良質な睡眠を取り入れ、内側からのケアも意識しましょう。
こうした小さな習慣の積み重ねが、紫外線に負けない強く美しいツヤ髪を育てます。
今日からできることから始めて、365日ツヤ髪をキープしましょう。