育毛剤の正しい使い方は?使用のタイミングやコツ、NG行為を解説

「薄毛が気になるけど、育毛剤ってどう使えばいいの?」

育毛剤は、ただ使うだけでなく正しい使い方を理解しておかなければ、思い通りの成果を得られません。

薄毛問題に悩んでいる方は、育毛剤の正しい使い方とNGな使い方を確認しておきましょう。

本記事では、育毛剤の正しい使い方から、使用のタイミング、さらにはNG行為まで詳しく解説します。

育毛剤の選び方についても解説するので、初めて育毛剤を手にする人から経験者まで、ぜひ最後までご覧ください。

育毛剤の正しい使い方を実践する前の予備知識

育毛剤の効果を最大限に引き出すためには、下記の予備知識を理解しておきましょう。

  • 育毛のメカニズム
  • 育毛剤の効果
  • 薄毛の原因

上記の予備知識を理解すると、より効率的な育毛剤選びや日々のケアが実施できます。

育毛のメカニズム

育毛とは、毛根にある毛母細胞の分裂・増殖の働きを活性化させることで、髪の成長を促進する一連のプロセスを指します。

健康な髪を育てるためには、毛母細胞が活発に分裂し、十分な栄養が供給される必要があります。

また、頭皮の血行が良い状態を保つことも、育毛には欠かせません。

育毛剤には、血行促進や毛母細胞の活性化を促す成分が含まれているため、育毛をサポートしてくれます。

育毛剤を使用する際には、同時に頭皮をマッサージを行い血行を促進し、育毛剤の成分がよく毛根に届くようにすることが大切です。

育毛剤の効果

育毛剤には、以下の効果が期待できます。

効果詳細
血行促進頭皮の血行を促進し、毛根への栄養供給をサポートします。
毛母細胞の活性化毛母細胞を活性化させ、髪の成長を促進します。
頭皮環境の改善頭皮の炎症を抑え、フケやかゆみを防ぎます。
抜け毛予防ヘアサイクルを正常化し、抜け毛を予防します。

育毛剤に含まれる成分には、センブリエキスやナイアシンアミドなどがあり、これらの成分には血行促進効果が期待できます。

ただし、育毛剤は、あくまで頭皮環境を整えて育毛をサポートするものであり、使用すれば必ず髪が生えてくる、というものではありません。

育毛剤の効果を実感するためには、正しい使い方で継続して使用することが大切です。

薄毛の原因

薄毛の原因はさまざまですが、主な原因としては以下のものが挙げられます。

薄毛の原因内容
AGA(男性型脱毛症)
FAGA(女性男性型脱毛症)
ホルモンバランスの影響により、ヘアサイクルが乱れ、髪が細く短くなることで薄毛が進行する
生活習慣の乱れ睡眠不足、偏った食生活、過度なストレスなどは、頭皮環境を悪化させ、薄毛の原因となる
頭皮の血行不良血行不良は、毛根への栄養供給を妨げ、髪の成長を阻害する
誤ったヘアケアシャンプーのしすぎや、刺激の強いシャンプーの使用は、頭皮を乾燥させ、薄毛の原因になる

適切な育毛剤を選ぶだけでなく、薄毛の原因をよく理解した上で、生活習慣も見直すなど、より効果的な対策を講じましょう。

育毛剤の正しい使い方

せっかく育毛剤を使うなら、その効果を最大限に引き出したいものです。

育毛剤の効果を実感するためには、正しい手順で使用することが大切です。

  1. 頭皮を清潔な状態にする
  2. 育毛剤を適量塗布する
  3. マッサージで血行を促進する
  4. ドライヤーで髪と頭皮を乾かす

本章では、育毛剤の基本的な使い方を、4つのステップに分けて解説します。

ステップ1:頭皮を清潔な状態にする

育毛剤を使用する前に、まず頭皮を清潔な状態にすることが大切です。

頭皮に皮脂や汚れが残っていると、育毛剤の有効成分が浸透しにくくなってしまいます。

以下の手順で、丁寧に頭皮を洗いましょう。

手順内容
1.ぬるま湯で髪と頭皮を予洗いする熱すぎるお湯は必要な皮脂まで奪ってしまうため、38度程度のぬるま湯を使用しましょう。
2.シャンプーを泡立てて指の腹で優しく洗う爪を立ててゴシゴシ洗うのはNG。
指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。
3.すすぎ残しがないように洗い流すシャンプーが残っていると、頭皮トラブルの原因になるリスクがあります。
しっかりと丁寧に洗い流すことが大切です。

シャンプーは、育毛効果を高めるために、アミノ酸系シャンプーやスカルプシャンプーなど、頭皮に優しいものを選ぶのがおすすめです。

ステップ2:育毛剤を適量塗布する

育毛剤は、つけすぎても効果が高まるわけではありません。

使用する育毛剤に記載されている適量を守りましょう。

一般的には、1回の使用で数プッシュ程度が目安です。

育毛剤を塗布する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 分け目や生え際など、気になる部分を中心に塗布する
  • 育毛剤が頭皮全体に行き渡るように、指の腹で優しくなじませる

育毛剤の種類によっては、塗布方法が異なる場合があるので、使用前にはしっかりと説明書を確認しましょう。

ステップ3:マッサージで血行を促進する

育毛剤を塗布した後は、頭皮マッサージを行いましょう。

マッサージによって血行が促進され、育毛剤の有効成分がより浸透しやすくなるためです。

頭皮マッサージは、以下の手順で行います。

  1. 指の腹を使って、頭皮全体を揉みほぐす
  2. 生え際から頭頂部に向かって、円を描くようにマッサージする
  3. 首筋から頭頂部に向かって、引き上げるようにマッサージする

マッサージは、力を入れすぎると頭皮を傷つけてしまう可能性があるため、優しく行うことが大切です。

5分程度のマッサージでも、効果が十分に期待できます。

ステップ4:ドライヤーで髪と頭皮を乾かす

育毛剤を塗布し、マッサージが終わったら、冷風のドライヤーで髪と頭皮をしっかりと乾かしましょう。

髪が濡れた状態で放置すると、雑菌が繁殖しやすくなり、頭皮トラブルの原因になってしまいます。

ただし、熱風を使用すると育毛剤の成分も蒸発しやすくなってしまいますので、以下の点に注意しながら、しっかりと髪の毛を乾かすことが重要です。

  • ドライヤーの風を直接頭皮に当てない
  • 冷風で乾かす
  • 髪の根元から乾かす

育毛剤を正しく使うコツ

育毛剤の効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方に加えて、いくつかのコツを押さえておくことが大切です。

本章では、育毛剤の効果を最大限に引き出すためのコツを、3つご紹介します。

使用するタイミングと頻度を守る

育毛剤は、製品ごとに推奨される使用のタイミングと頻度が異なります。

たとえば、朝晩2回使用するもの、夜のみ使用するものなどさまざまです。

製品に添付されている説明書をよく読み、指示されたタイミングと頻度を守って使用しましょう。

使用頻度が多ければ、効果が高まるわけではありません。

むしろ、過剰な使用は頭皮への負担となり、逆効果になる可能性もあります。

また、一般的には、洗髪後、頭皮が清潔な状態での育毛剤の使用が望ましいとされています

育毛剤の種類によっては、1日に2回使うタイプのものもありますので、各製品に合わせて適切なタイミングを知っておきましょう。

ポイント詳細
使用タイミング洗髪後、頭皮が清潔な状態がおすすめ
使用頻度製品に添付されている説明書をよく読み、指示された頻度を守る

継続して使用する

育毛剤の効果を実感するためには、ある程度の期間、継続して使用する必要があります。

一般的には、3カ月~半年程度の継続使用が推奨されています。

育毛剤を使用してすぐに効果が出なくても、諦めずに根気強く続けることが大切です。

継続して使用すると、今ある健康な髪の毛を維持し、薄毛や抜け毛を予防する効果が期待できます。

ポイント詳細
使用期間3カ月~半年程度の継続使用が目安
諦めずに継続効果を実感できるまで根気強く続ける

ドライヤーで乾かしてから使用する

育毛剤を使用する際、髪や頭皮が濡れた状態だと、育毛剤が薄まってしまい、効果が十分に発揮できません。

育毛剤を使用する前に、ドライヤーで髪と頭皮をある程度乾かしましょう。

ただし、熱風を長時間当て続けると頭皮が乾燥してしまうため、注意が必要です。

ポイント詳細
使用前の準備ドライヤーで髪と頭皮をある程度乾かす
頭皮の乾燥に注意熱風の当てすぎは避ける

育毛剤のNGな使い方

育毛剤は正しく使うことで効果が期待できますが、間違った使い方をすると逆効果になるケースもあります。

ここでは、育毛剤を使う際に避けるべきNGな使い方について解説します。

育毛剤をつけすぎる

「たくさんつければ効果もアップするはず」と考えるのは間違いです。

育毛剤をつけすぎても、頭皮が一度に吸収できる量には限界があります。

過剰につけた育毛剤は、頭皮に残ってベタつきや炎症の原因となるケースもあります。

また、毛穴を塞いでしまい、次に塗る育毛剤の浸透を妨げる可能性もあります。

育毛剤は、製品ごとに定められた適量を守って使用することが大切です。

説明書や容器に記載されている使用量を参考に、正しく使いましょう。

ボトルタイプの場合は、1回の使用量を守り、スプレータイプの場合は、頭皮全体に均一に行きわたるように意識してください。

保湿ケアをしない

育毛剤を使用する際に忘れがちなのが、頭皮の保湿ケアです。

育毛剤に含まれる成分には、アルコールが含まれている場合があり、乾燥を招く可能性があります。

乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなるため、育毛剤を使用した後は、頭皮用の保湿ローションやオイルなどで保湿ケアを行うと良いです。

保湿成分としては、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどがおすすめです。

これらの成分は、頭皮に潤いを与え、バリア機能をサポートする効果が期待できます。

中には、こういった保湿成分を含んだ育毛剤もありますので、選ぶ際の参考にしてください。

複数の育毛剤を併用する

「色々な育毛剤を試して、早く効果を出したい」という気持ちは理解できますが、複数の育毛剤を併用してはなりません。

なぜなら、それぞれの育毛剤に含まれる成分が相互作用を起こし、予期せぬ副作用を引き起こす可能性があるからです。

また、頭皮への刺激が強くなりすぎることも、併用をおすすめできない理由です。

育毛剤は、1種類に絞って、用法・用量を守って継続して使用しましょう。

他の育毛剤を試したい場合は、現在使用している育毛剤の使用を一旦中止し、一定期間を空けてから新しい育毛剤を使用してください。

あらかじめパッチテストを行い、肌に異常がないかを確認しておくと安心です。

育毛剤の選び方

正しい育毛剤を選ぶことは、効果的な薄毛対策への第一歩です。

しかし、市場にはさまざまな種類の育毛剤が存在し、どれを選べば良いか迷ってしまう方も少なくありません。

育毛剤を選ぶ際は、下記のポイントを比較して、自分に合った適切な商品を購入しましょう。

  • 育毛剤のタイプ
  • 含まれている有効成分
  • 使用頻度
  • 副作用や相性

育毛剤のタイプ

育毛剤には、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。

育毛剤のタイプ特徴
液状タイプ頭皮に直接塗布しやすく、有効成分が浸透しやすい
スプレータイプ広範囲に均一に塗布できるため、手軽に使用できる
ミストタイプ細かい霧状で噴射されるため、ベタつきが少ない

ご自身のライフスタイルや好みに合わせて、使いやすいタイプを選びましょう。

含まれている有効成分

育毛剤には、さまざまな有効成分が含まれています。

代表的な成分の一例と、その効果は以下のとおりです。

有効成分期待できる効果
パンテノール毛母細胞の活性化
ナイアシンアミド血行促進
グリチルリチン酸ジカリウム抗炎症作用、頭皮の炎症を抑える
酢酸DL-α-トコフェロール(ビタミンE誘導体)頭皮の血行改善・促進

ご自身の薄毛の原因や、期待する効果に合わせて、適切な有効成分が含まれている育毛剤を選びましょう。

使用頻度

育毛剤の効果を最大限に引き出すためには、製品ごとに推奨されている使用頻度を守ることが大切です。

一般的には、1日に1~2回、朝晩の使用が推奨されていることが多いですが、製品によって異なるため、使用説明書を確認しましょう。

中には、朝の寝ぐせ直しに使用しながら塗布できる製品もあります。

副作用や相性

育毛剤を使用する際には、副作用のリスクも考慮する必要があります。

人によっては頭皮のかゆみやかぶれなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。

使用前に成分表示を確認し、アレルギー体質の方や敏感肌の方は、必ずパッチテストを行いましょう。

また、育毛剤は、効果を実感できるまでに時間がかかる場合があります。

最低でも3カ月~半年程度は継続して使用してから、効果を判断するようにしましょう。

もし、使用中に異常を感じた場合は、ただちに使用を中止し、専門医に相談してください。

育毛剤で後悔しない!副作用の種類と対処法・予防策を徹底解説

まとめ:育毛剤の正しい使い方を覚えて理想の髪を手に入れよう

育毛のメカニズムから、育毛剤の効果、薄毛の原因といった予備知識をご紹介しました。

これらを踏まえて、育毛剤の正しい使い方を覚え、理想の髪を手に入れましょう。

具体的には、適量の塗布や頭皮マッサージ、使用のタイミングや頻度、継続使用の重要性を理解することが大切です。

つけすぎや保湿不足、複数の育毛剤の併用などのNGな使い方も理解した上で、ご自身に合った育毛剤を見つけてください。

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五藤 良将(ごとう よしまさ)
五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。 研究分野:糖尿病、AGEs、動脈硬化、 免許・資格: • 医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員著書、論文所属 • 医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長  • 医療法人社団五良会 理事長 専門領域: • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 皮膚科 • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 美容皮膚科