頭皮の日焼けで薄毛になる!?主な症状や対策について徹底解説

夏の日差しが強くなるにつれ、 頭皮も日焼けをするリスクが高まることをご存知でしょうか。

「頭皮も日焼けするの?」 「日焼けすると薄毛になるって本当?」 と、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

実は、頭皮は顔の肌以上に紫外線の影響を受けやすいと言われており、 放置するとさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

本記事では、 頭皮の日焼けによって起こる症状や日焼けしてしまった時の対処法、薄毛予防につながる紫外線対策について解説します。

健やかな頭皮と美しい髪を守るためにも、本記事を参考に、ぜひ実践してみてください。

日焼けによって起こる頭皮のトラブル

頭皮は、顔の皮膚よりもさらにデリケートで、紫外線の影響を受けやすい部分です。

日差しの強い日、何も対策をせずに紫外線を浴び続けると、以下のようなトラブルが発生します。

  • 皮膚の赤みや痛み
  • フケの増加
  • 切れ毛や枝毛の発生
  • 髪の毛の脱色

本章では、日焼けによって起こる代表的な頭皮のトラブルについて解説します。

皮膚の赤みや痛み

頭皮が紫外線を浴びすぎると、炎症を起こし、赤みやヒリヒリとした痛み、かゆみなどの症状が現れることがあります。

これは、日焼けによる軽度のやけどのような状態です。

症状がひどい場合には、水ぶくれができることもあります。

かゆいからといって頭皮をかきむしると、より炎症が悪化する恐れがあるため、かゆみや痛みを感じても、極力頭皮を触らないように心がけましょう。

炎症が落ち着いてくると、頭皮がむけてフケのように落ちてくることもありますが、この時も触り過ぎず、安静にしておくことが大切です。

フケの増加

日焼けによって頭皮が乾燥すると、バリア機能が低下し、フケが増加することがあります。

乾燥のほか、紫外線によって頭皮がダメージを受け、ターンオーバーが乱れることも、フケの増加につながります。

フケには、乾燥によって発生する細かいフケと、皮脂が過剰に分泌されて発生するベタついたフケの2種類があります。

どちらのタイプのフケが発生するかは、各々の頭皮の状態によって異なりますが、対策を行う際には、それぞれのタイプに合った対策が必要不可欠です。

切れ毛や枝毛の発生

頭皮の日焼けとは少し異なりますが、紫外線の影響で切れ毛や枝毛が発生しやすくなるのも、よく見られる症状です。

紫外線は、髪の毛の主成分であるタンパク質を破壊する作用があります。

そのため、髪の毛が日焼けすると、髪の内部の水分や栄養分が失われ、パサつきやゴワつき、切れ毛や枝毛の原因となります。

特に、カラーリングやパーマをしている髪の毛は、よりダメージを受けやすいので注意が必要です。

また、ひどい状態になると髪が抜けて薄毛が目立つようになってしまうため、注意しましょう。

髪の毛の脱色

髪の毛が脱色してしまうのも、日焼けによる主なトラブルの一つです。

紫外線は、髪の毛のメラニン色素を分解する作用もあるため、たとえ濃い黒髪でも、日焼けによって髪の毛が脱色してしまうことがあります。

特に、明るい髪色の場合は、日焼けによる色の変化が目立ちやすくなります。

紫外線によって髪の表面が酸化し、赤茶色に変色してしまうこともあるので注意しましょう。

頭皮の日焼けによる4つのリスク

頭皮が日焼けして先述のようなトラブルが起こると、間接的にもっと深刻な症状を引き起こす可能性があります。

本章では、特に注意すべき以下の症状について解説します。

  • 薄毛・抜け毛
  • 炎症による頭皮環境の悪化
  • 髪のパサつき・ゴワつき
  • 将来的な白髪の増加

いずれの症状も、適切に対応しなければ悪化する恐れがあります。

こういった症状に気づいた際は、早急に対策を講じるように心がけましょう。

薄毛・抜け毛

頭皮の日焼けは、薄毛・抜け毛のリスクを高めるものです。

頭皮が日焼けすると、毛髪を作る毛母細胞がダメージを受け、ヘアサイクルが乱れることがあります。

その結果、髪の成長が阻害され、薄毛や抜け毛を引き起こすリスクが高まります。

また、紫外線によって頭皮が炎症を起こし、毛穴が詰まってしまうことも、抜け毛の原因につながる要素です。

炎症による頭皮環境の悪化

日焼けで発生した炎症を放置すると、頭皮環境は悪化していきます。

紫外線は、頭皮のバリア機能を低下させ、炎症を引き起こしやすくするものです。

炎症が慢性化すると、かゆみ、赤み、フケなどの症状が現れ、頭皮環境がどんどん悪化します。

頭皮環境の悪化は、健康な髪の成長を妨げるだけでなく、さまざまな頭皮トラブルの原因となるため、注意が必要です。

髪のパサつき・ゴワつき

紫外線は、髪の表面を覆っているキューティクルを破壊し、髪の内部の水分やタンパク質を流出させます。

これにより、髪がパサついたり、ゴワついたり、枝毛や切れ毛が増えるなどのダメージにつながります。

カラーリングやパーマをしている髪は、ダメージに弱いため、より顕著に症状が発生するので気を付けましょう。

将来的な白髪の増加

頭皮への紫外線ダメージは、白髪の増加にもつながる可能性があるので注意しましょう。

毛髪の色素細胞であるメラノサイトは、紫外線によって機能が低下することがあります。

メラノサイトの機能が低下すると、髪のメラニン色素を生成する能力が落ちるため、白髪が増えやすくなります。

若い頃からの紫外線対策が、将来の白髪予防にもつながります。

頭皮が日焼けした時の対処法

もし頭皮が日焼けしてしまったら、早めの対処が重要です。

頭皮の日焼けに有効的な対処法は、以下の通りです。

  • 頭皮をクールダウンする
  • 優しく洗髪する
  • 頭皮を保湿する
  • 病院の診察を受ける

適切なケアを行うことで、ダメージを最小限に抑え、頭皮環境の悪化を防げます。

頭皮をクールダウンする

日焼けは軽度の火傷のような症状であるため、まずは頭皮のクールダウンを行うのが有効です。

日焼けした頭皮は、炎症を起こしている状態です。

水で濡らした冷たいタオルや冷却シートなどで頭皮を冷やし、クールダウンさせましょう。

保冷剤をタオルで包んで頭皮に当てるのも、効果的です。

冷水シャワーも有効ですが、冷たすぎると刺激になる場合があるので注意が必要です。

同様に、保冷剤や氷を直接当てるのも、頭皮への刺激が強すぎるので避けましょう。

優しく洗髪する

頭皮が日焼けした際は、優しく洗髪することを心がけましょう。

まずは洗髪前に丁寧にブラッシングし、髪のもつれを解いてください。

シャンプーは刺激の少ないものを選び、ゴシゴシとこすらず、指の腹で優しく洗いましょう。

シャンプー後は、熱いお湯は避け、ぬるま湯でしっかりとすすぎ残しがないように洗い流すのがポイントです。

洗い流した後は、タオルで優しく水分を拭き取り、ドライヤーでしっかりと乾かしましょう。

ドライヤーを使う際は、強い風量に設定し、できるだけ短時間で乾かすのがポイントです。

日焼けが発生した際の洗髪は、とにかく髪や頭皮に刺激を与えないようにすることが重要です。

すべての工程を、摩擦を与えないように、優しく丁寧に行いましょう。

なお、痛みを感じるほど日焼けしている際は、シャンプーの使用を数日避けてみるのもおすすめです。

頭皮を保湿する

頭皮の保湿も、日焼けの症状を抑える上でとても重要です。

日焼け後の頭皮は、乾燥しやすくなっています。

頭皮用の保湿ローションやオイルなどを塗布し、しっかりと保湿しましょう。

特にクールダウンをした後や、タオルドライをした後は、丁寧に保湿することで日焼けした頭皮をしっかりケアできます。

保湿をする際は、使用する保湿剤の成分にもこだわりましょう。

例えば、天然成分のアロエベラは、炎症を抑え、肌をクールダウンさせる効果があります。

カモミールローションも優れた抗炎作用があり、日焼け後の傷んだ肌を治す効果が期待できます。

育毛剤を使用する

日焼けによってダメージを受けた頭皮は、炎症や乾燥が進み、毛髪の成長に必要な環境が大きく損なわれます。

こうした状態では、通常のヘアケアだけでは回復が追いつかないことも。

そこで有効なのが、頭皮環境の改善をサポートする育毛剤の活用です。

最近では、紫外線ダメージ後の頭皮にも使える、低刺激で保湿力の高い育毛剤も多く登場しています。

抗炎症作用や血行促進成分を含んだアイテムを選ぶことで、ダメージを受けた頭皮をやさしくケアしながら、毛母細胞の働きを助けることができます。

もちろん、日焼け直後の使用は避け、炎症が落ち着いた後に導入することが基本です。

病院の診察を受ける

頭皮の日焼けによる炎症がひどい場合や、水ぶくれ、強い痛みがある場合は、自己判断せずに皮膚科を受診しましょう。

適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期回復につながります。

むしろセルフケアに固執すると、かえって症状を悪化させるリスクも高まります。

自分でできる対処法でも効果がない場合は、セルフケアに頼らず、必ず病院に相談してください。

頭皮を紫外線から守る7つの事前対策

頭皮の日焼けは、薄毛や抜け毛、頭皮環境の悪化など、さまざまなトラブルの原因となります。

日ごろから紫外線対策を徹底し、頭皮と髪の健康を守りましょう。

本章では、頭皮の日焼けを防ぐ上で、効果的な以下の対策を紹介します。

  • 日傘・帽子を活用する
  • 日焼け止めをこまめに塗り直す
  • UVカット効果のあるヘアケア製品を使う
  • 紫外線量が多い時間帯は外出を控える
  • 室内でも紫外線対策をする
  • 頭皮マッサージで血行を促進する
  • 生活習慣を改善する

いずれの対策も、すぐに実践できるものばかりです。

薄毛や頭皮環境に悩みを抱える方は、ぜひ試してみてください。

日傘・帽子を活用する

日傘や帽子は、頭皮への紫外線を直接遮断する、最も手軽で効果的な対策です。

日傘は、UVカット加工が施されたものを選ぶと、より高い効果が期待できます。

99%以上紫外線をカットできる日傘がおすすめです。

帽子は、通気性の良い素材で、深めに被れるものを選ぶと、頭皮全体をしっかりとカバーできて良いでしょう。

また、密度が高い布地や、黒やネイビーのような暗色のものは、より紫外線を通しにくくなります。

ただし、通気性が低すぎる帽子は、頭皮が蒸れる可能性もあるため、自分に合った素材を探すことが大切です。

近年は、男女問わず、日傘や帽子で日焼け対策をすることが当たり前になりつつあります。

特に長時間外出したり、屋外で活動したりする際は、必ず日傘や帽子を利用しましょう。

日焼け止めをこまめに塗り直す

頭皮にも日焼け止めを使用することで、紫外線の影響を軽減できます。

頭皮用の日焼け止めには、大きく分けて以下の2種類があります。

スプレータイプ手軽に使える上、髪をかき分けながら塗布できる
クリームタイプ密着度が高く、ピンポイントで塗布が可能

どちらも異なる利点があるため、状況に応じて適したものを使用しましょう

特に、分け目や生え際は日焼けしやすいため、丁寧に塗りましょう。

2~3時間おきに塗り直すと、効果が持続します。

また、日焼け止めを選ぶ際は、SPF値をチェックしましょう。

SPF値とは、紫外線の中でも紫外線B波(UVB)を防ぐ効果の高さを示した指標のことです。

紫外線B波は、頭皮の炎症の原因となるため、SPF値が高いものほど日焼け対策としては有効的だと言われています。

ただし、SPF値が高ければ高いほど、肌に負担がかかりやすく、肌質によっては合わない場合もあるため、違和感があったら使用を控えましょう。

SPF値が40~50+の日焼け止めは、海水浴やマリンスポーツのような、日差しがかなり強い環境を想定して利用するものです。

そのため、普段使いするなら、SPF値が10~30程度のものでも十分です。

日々の生活習慣に合わせて、適切なSPF値の日焼け止めを使い分けましょう。

加えて、日焼け止めを大量に使うことも厳禁です。

過剰に日焼け止めを利用すると、逆に頭皮に負担をかける恐れがあるため、注意しましょう。

UVカット効果のあるヘアケア製品を使う

UVカット効果のあるヘアケア製品も、積極的に活用しましょう。

近年では、紫外線対策ができるヘアオイルやヘアスプレーなどが販売されています。

外出先でも手軽に利用できるものが多いため、旅行や出張の際にも常備しておくと安心です。

製品によっては紫外線だけでなく、花粉などを防ぐ効果を持つものもあります。

紫外線量が多い時間帯は外出を控える

紫外線量が最も多いのは、一般的に午前10時から午後2時ごろとされています。

特に夏場は紫外線量が多いだけでなく、気温も非常に高いため、熱中症などのリスクも高まります。

この時間帯の外出はできるだけ避け、やむを得ず外出する場合は、日傘や帽子、日焼け止めなどでしっかりと対策しましょう。

室内でも紫外線対策をする

強い紫外線は必ずしも屋外のみで浴びるものではないため、室内でも同様に対策が必要です。

紫外線は、窓ガラスを通して室内にも入り込んできます。

窓際に長時間いる場合は、カーテンやブラインドで遮光したり、UVカットフィルムを貼るなどの対策を講じましょう。

また、洗濯物を干す際や、ベランダの掃除などを行う際にも、帽子などを被っておくと安心です。

また、クーラーが効きすぎている部屋は、頭皮が乾燥する恐れがあります。

長時間滞在すると頭皮の血行が悪化し、冷気による乾燥で頭皮トラブルが起こるリスクが高まるので注意しましょう。

加湿器を併用したり、クーラーの送風角度を調整すれば、頭皮への悪影響を抑えられます。

頭皮マッサージで血行を促進する

日ごろから頭皮マッサージなどで、頭皮環境を改善しておくことも重要です。

頭皮マッサージは、血行を促進し、頭皮のターンオーバーを正常化する効果があります。

紫外線によってダメージを受けた頭皮の回復を助け、健康な髪の育成を促します。

指の腹で優しく揉みほぐすように、頭皮全体をマッサージしましょう。

生活習慣を改善する

頭皮環境を良くするなら、紫外線対策だけでなく、日々の生活習慣の改善も大切です。

十分な睡眠がとれていなかったり、頭皮や髪に必要な栄養素が不足していたりすると、頭皮環境が悪化し、紫外線のダメージをより受けやすくなります。

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動は、健康な頭皮と髪を育むために不可欠です。

特に、ビタミンやミネラル、タンパク質は、髪の主成分であるケラチンの生成を助けるため、積極的に摂取しましょう。

生活習慣詳細ポイント
食事バランスの取れた食事を心がけるビタミン・ミネラル・タンパク質を積極的に摂取
睡眠十分な睡眠時間を確保する7~8時間の睡眠を目安に
運動適度な運動習慣を身につけるウォーキング・ジョギング・ストレッチなど

上記以外にもストレスケアをしたり、ホルモンバランスを意識した食生活に変えたりするだけでも、頭皮環境を改善できることがあります。

【医師監修】抜け毛対策完全ガイド!原因からすぐできる対策まで徹底解説!

まとめ:頭皮の日焼け対策は髪の毛を守ることにつながる

本記事では、頭皮の日焼けが引き起こすトラブルやリスク・日焼け後の対処法・日焼けを防ぐための対策について詳しく解説しました。

頭皮は、顔の皮膚と同じようにデリケートであり、紫外線によるダメージを受けやすい部分です。

日焼けを放置すると、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。

日傘や帽子を活用したり、日焼け止めをこまめに塗り直したりするなど、日頃から紫外線対策を徹底することが重要です。

また、頭皮が日焼けしてしまった場合は、すぐにクールダウンし、優しく洗髪して保湿するなど、適切なアフターケアを行いましょう。

頭皮の日焼け対策は、単に日焼けを防ぐだけでなく、健康な髪の毛を守り、将来的なトラブルを予防することにもつながります。

本記事を参考に、今日からできる対策を実践し、紫外線から頭皮と髪の毛を守りましょう。

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五藤 良将(ごとう よしまさ)
五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。 研究分野:糖尿病、AGEs、動脈硬化、 免許・資格: • 医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員著書、論文所属 • 医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長  • 医療法人社団五良会 理事長 専門領域: • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 皮膚科 • 医療 > 外科・内科以外の診療科 > 美容皮膚科