シャンプー前に予洗いをすると、ホコリや汗など、お湯で流れやすい汚れの多くを先に落とすことができます。髪の表面を濡らすだけではなく、髪をかき分けながら頭皮までお湯を届けることがポイントです。
ただし、予洗いで汚れが落ちることは、「シャンプーが必要ない」という意味ではありません。頭皮の皮脂や、ワックス、ヘアオイルなどの油分は、予洗いだけではなかなか落ちないためシャンプーで洗う必要があります。
こちらでは、予洗いとお湯シャンの違い、正しい予洗いの手順、シャンプーが泡立たないときの確認方法などを解説いたします。
予洗いとは?意外と知らない基本の知識

「予洗い」という言葉を聞いたことはあっても、正確に何をすることなのか、なぜ必要なのかを理解している方は意外と少ないかもしれません。
「予洗い」の定義
予洗いとは、シャンプーをつける前に、お湯で髪と頭皮を洗うことを指します。
単に髪の表面を濡らすだけではありません。髪をかき分けながら頭皮までお湯を行き渡らせ、ホコリや汗などの流れやすい汚れを洗い流します。
髪と頭皮を十分に濡らしておくことで、シャンプーをなじませやすくなります。
予洗いとお湯シャンの違い
似たようなものに「お湯シャン」があります。予洗いとお湯シャンは、どちらもお湯だけで髪と頭皮を洗いますが、洗髪の中で担う役割が異なります。
予洗いは、その後にシャンプーを使うことを前提とした準備工程です。ホコリや汗など、お湯で流れやすい汚れを先に落とし、髪と頭皮へ水分を行き渡らせます。
一方お湯シャンは、シャンプーを使わず、お湯だけで洗髪を終える方法をさします。一定の汚れは落ちますが、頭皮の皮脂や、ワックス、バーム、ヘアオイルなどの油分は、お湯だけでは十分に落とせないことがあります。
予洗いによって多くの汚れを流せることは、「シャンプーが必要ない」という意味ではありません。予洗いで落とせる汚れと、シャンプーで洗う汚れを分担することが、両者の大きな違いです。
予洗いで落とせる汚れの種類
予洗いで流しやすい汚れは、主に以下の3種類です。
| ホコリ/花粉 | 髪の表面に付着し、お湯の流れで落としやすい微粒子 |
| 汗 | 頭皮から分泌され、水に混ざりやすい水分や塩分など |
| 整髪料の一部 | 水溶性のスタイリング剤や、付着量の少ないスプレーなど |
同じ整髪料でも、油分の多いワックス、ヘアオイル、重ねづけしたスプレーなどは予洗いだけでは落としきれません。予洗いの後にシャンプーを使って洗いましょう。
頭皮は皮脂や汗の分泌量が多く、毛髪に覆われているため、汚れが残っていても目で確認しにくい場所です。皮脂や汗を長時間残すと、頭皮の常在菌によって分解されたり、酸化したりして、脂肪酸やアルデヒドなどへ変化します。その一部は頭皮への刺激となり、赤みやかゆみなどの症状につながることがあります。また、皮脂が酸化・分解される過程で生じる物質が、頭皮のにおいの一因となることが知られています。
油性の皮脂や、皮脂が分解されて生じた脂肪酸は水やお湯になじみにくいため、予洗いだけでは十分に洗い流せません。 お湯で流れやすいホコリや汗などは予洗いで先に落とし、皮脂や油分を含む整髪料はシャンプーの洗浄成分で洗う必要があります。
皮脂を落とそうとして、お湯の温度や水圧を上げたり、頭皮を強くこすったりするのは適切ではありません。予洗いとシャンプーの役割を分けることが、頭皮へ必要以上の刺激を与えずに洗うための基本です。
予洗いの理想的な時間
髪の表面を短時間濡らすだけでは、頭皮や髪の内側までお湯が届かないことがあります。髪をかき分けながら、頭皮全体と髪の内側までお湯を行き渡らせることが大切です。
必要な時間は髪の長さや量によって異なりますが、1〜2分ほどを目安にします。ただし、時間だけを守っても、同じ場所へお湯を当て続けていては十分な予洗いになりません。生え際、側頭部、後頭部、頭頂部まで濡れているかを確認しましょう。
正しい予洗いの方法

それでは、具体的にどのように予洗いを行えば良いのでしょうか。 ここでは、美容師も推奨する正しい予洗いの方法を5つのステップで解説します。
【ステップ1】ブラッシングで汚れを浮かす
シャワーを浴びる前に、乾いた髪を目の粗いブラシで優しくブラッシングしましょう。
これにより、髪についたホコリや汚れが浮き上がり、落ちやすくなります。 また、髪の絡まりをほぐすことで、洗髪時の摩擦も軽減できます。
ブラッシングは、毛先から少しずつ、根元に向かって進めるのがコツです。
ただし、ハードスプレーや固まるタイプのワックスなどによって髪が固定されている場合は、無理にブラッシングする必要はありません。固まった髪へブラシを通すと、髪を強く引っ張ったり、毛先を絡ませたりすることがあります。
整髪料で髪が固まっている日は、ブラッシングを省き、使用した製品に案内された落とし方を確認してから予洗いへ進みましょう。
【ステップ2】38度前後のぬるま湯を準備する
熱いお湯ほど汚れが落ちると思われがちですが、温度が高すぎるお湯は頭皮の乾燥につながります。反対に、冷たさを我慢する必要もありません。予洗いでは、38度前後のぬるま湯を目安にしましょう。
ただし、38度はあくまで目安であり、厳密な境界ではありません。季節や体感に応じて、無理なく続けられる温度に調整してください。 熱さや刺激を感じず、無理なく頭皮全体へかけ続けられる温度に調整しましょう。
【ステップ3】髪全体をしっかり濡らす
まずは、髪全体にまんべんなくお湯をかけ、しっかりと濡らします。
特に髪の量が多い方や長い方は、表面だけでなく内側までしっかり濡らすよう注意しましょう。 シャワーヘッドを頭皮に近づけ、髪をかき分けながら、根元から毛先まで十分に濡らします。
正面からシャワーを浴び続けていると、髪の表面や生え際は濡れても、後頭部や襟足までお湯が届かないことがあります。シャワーを壁へ固定したまま使用する場合は特に注意が必要です。シャワーヘッドを手に持つか、頭や体の向きを変えながらお湯を当てることで、全体へ届けやすくなります。
後頭部は、髪を手でめくり、襟足側から頭頂部へ向けてお湯を当てると、髪に隠れた頭皮まで流しやすくなります。
生え際、側頭部、後頭部、頭頂部へ異なる角度からお湯を届けることがポイントです。
指の腹を頭皮へ軽く当て、髪をかき分けながらお湯を行き渡らせます。爪を立てたり、汚れを落とそうとして頭皮の上で指を強く滑らせたりしないようにしましょう。お湯の通り道を作るように髪を動かします。
頭皮へお湯を届ける間も、髪同士をこすり合わせないようにします。長い髪は手で強く握ったりもみ込んだりせず、髪の流れに沿って上から下へお湯を流しましょう。絡まりが残っている場合も、濡れた状態で無理に引っ張らず、指が通る範囲で髪を分けながら洗います。
【ステップ4】頭皮までお湯が届いているか確認する
髪の表面だけでなく、頭皮全体へお湯が届いているか確認します。
特に以下の部分は、髪に隠れてお湯が届きにくい箇所です。
● 耳の後ろ
● 襟足
● 生え際
● 頭頂部
手で髪をかき分けながら、それぞれの部分へお湯を当てます。頭皮の一部が濡れないままになっていないかを確認しましょう。
【ステップ5】軽く水気を切る
予洗いが終わったら、髪を軽く握って余分な水分を切ります。
毛先から水が滴り続けない程度が目安です。髪をねじったり強く絞ったりせず、手のひらで軽く押さえましょう。
予洗いしてもシャンプーが泡立たない?

予洗いを行ってもシャンプーが泡立たない場合、最初に確認したいのは、先述した「表面だけでなく、内側と頭皮まで水分が届いているか」です。十分に濡れていなければ、シャンプーが一部へ偏り、全体へ広がりにくくなります。
髪と頭皮が十分に濡れている場合は、ワックスやヘアオイル、皮脂などの油分が多く残っていないか、髪の長さや量に対してシャンプーの使用量が不足していないかを確認します。必要量は製品によって異なるため、泡立ちだけを見て追加する前に、パッケージに記載された使用量を確認しましょう。
泡立ちは、髪や頭皮に残っている油性の汚れや、シャンプーの使用量を確認する手掛かりの一つです。ただし、製品によってはもともと泡立ちを控えめに設計しているため、泡の量だけで洗浄状態を決めることはできません。普段より急に泡が消える場合は油性の汚れや水分量を確認し、製品本来の泡立ち方については使用方法や説明を確認しましょう。
シャンプーを足す?一度流して二度洗いする?
シャンプーが泡立たないときに、そのまま何度も追加すると、一部へシャンプーが集中し、全体へ均一になじませにくくなります。まずは髪と頭皮の濡れ方と、製品に記載された使用量を確認します。
使用量が製品の目安より少ない場合は、適量まで補います。一方、ワックスやヘアオイル、皮脂などが多く付着している場合は、シャンプーを追加し続けるのではなく、一度洗い流してから二度目のシャンプーを使う方法があります。
ただし、二度洗いが必要かどうかは、シャンプーの洗浄力、髪質、頭皮の状態によって異なります。乾燥や刺激を感じる場合は毎回の習慣にせず、使用している製品の説明に従いましょう。
頭皮にかゆみや赤みがあるときは?

頭皮にかゆみ、赤み、傷、痛みなどがある場合は、汚れを落とそうとして予洗いの時間を延ばしたり、お湯の温度や水圧を上げたりしないでください。熱さや刺激を感じない温度に調整し、頭皮をこすらずにお湯を流します。
予洗いは、頭皮の炎症や疾患を治療する方法ではありません。症状が続く場合や悪化している場合は、使用中のシャンプーや整髪料を確認したうえで、皮膚科へ相談しましょう。
予洗い後のシャンプーはどこにつける?

予洗いが終わったら、製品に記載された使用量と使用方法を確認します。一般的な液体シャンプーは、手のひらへ広げたり、製品の案内に従って泡立てたりしてから、頭皮全体へ分けてなじませます。
ただし、ノズルを頭皮へ当てて使用する製品など、原液を頭皮へ直接つけることを前提としたシャンプーもあります。すべてのシャンプーへ一律の方法を当てはめず、使用している製品の説明を優先してください。
シャンプーで主に洗うのは、皮脂や汗などが付着する頭皮です。毛先まで強くこすり合わせる必要はありません。頭皮を指の腹で洗い、髪の長さには流れてきた泡をやさしくなじませます。ワックス、ハードスプレー、ヘアオイルなどが髪の中間から毛先まで付着している場合は、その部分にもシャンプーをなじませる必要があります。
シャンプーを手のひらでどの程度泡立ててから使用するかは、製品によって案内が異なります。最初から十分に泡立てる方法を勧める製品もあれば、水を加えて軽く広げてから髪で泡立てる製品もあります。予洗い後の水気を切りすぎず、使用しているシャンプーの方法を確認してください。
予洗いと合わせて使いたいおすすめアイテム

予洗いはお湯だけで行えますが、その後に使用するシャンプーや、必要に応じて補助に使う頭皮用ブラシは、髪と頭皮の状態に合わせて選ぶ必要があります。ここでは、予洗いからシャンプーへつなげるためのアイテム選びを解説します。
髪と頭皮に合うアミノ酸系シャンプー&トリートメント

予洗いでホコリや汗などを先に落としても、頭皮の皮脂や油分を多く含む整髪料を落とすにはシャンプーが必要です。髪質、頭皮の皮脂量、整髪料の使用状況、洗髪後の状態まで確認し、自分にあったシャンプーを選びましょう。
コスメフェリーチェの「KOHAKU」シャンプー&トリートメントは、アミノ酸系洗浄成分に加え、シルク由来PPT(毛髪補修成分)を配合したシャンプー&トリートメントです。
自社従来品では、洗浄成分(界面活性剤)全体のうち、潤い成分として配合したアミノ酸系成分が25%でした。KOHAKUでは、潤いに加えて髪の補修にも着目し、PPT系40%、アミノ酸系30%、タウリン系15%を配合。これらを合わせると、洗浄成分全体の85%を占めます。髪や頭皮の汚れをやさしく洗い流しながら、ダメージを受けた髪を補修し、髪をすこやかに保つ処方です。
頭皮用スカルプブラシ
頭皮用ブラシを選ぶ際は、突起の硬さ、手に持ったときの安定感、濡れた状態での滑りにくさ、手入れのしやすさを確認します。
頭皮へ強く押しつけなくても動かせる硬さのものを選び、製品に記載された使用方法に従って使いましょう。同じ場所を繰り返しこすらず、痛みや刺激を感じた場合は使用を中止します。
すでに頭皮へ傷、炎症、ただれなどがある場合や、触れるだけでも刺激を感じる場合は、頭皮用ブラシを使用しないでください。症状が治まらない場合は、ブラシによるケアを続けず、皮膚科へ相談しましょう。
頭皮用ブラシは、指で洗いにくい部分へ手を動かすための補助道具です。ブラシだけで汚れを落とそうとせず、お湯の流れやシャンプーによる洗浄と組み合わせましょう。
予洗いを制する者が美髪を制す

予洗いは、シャンプー前にお湯だけで髪と頭皮を洗う準備工程です。お湯シャンのように予洗いだけで洗髪を終えるのではなく、ホコリや汗などを先に流し、皮脂や油分を含む整髪料はその後のシャンプーで洗います。
38度前後のぬるま湯を使い、1〜2分を目安に髪をかき分けながら、生え際、側頭部、後頭部、襟足、頭頂部までお湯を届けましょう。大切なのは、長い時間をかけることではなく、頭皮全体を濡らして流れやすい汚れを落とすことです。
予洗い後にシャンプーが泡立たない場合は、すぐに追加せず、髪と頭皮の濡れ方、皮脂や整髪料の付着量、製品に記載された使用量を確認します。予洗いとシャンプーの役割を分けることで、髪や頭皮を必要以上にこすったり、シャンプーを繰り返し追加したりすることを防ぎやすくなります。
毎日の洗髪は、シャンプーをつけた瞬間から始まるのではありません。
その前の予洗いを一つの工程として丁寧に行うことが、髪と頭皮をいたわりながら洗うための土台になります。













